公共施設禁煙 「受動喫煙」防止への一歩

 厚生労働省は、全国自治体に公共的施設内の原則全面禁煙を求める通知を出した。たばこの煙の「受動喫煙」を防止するため、禁煙の積極的な普及を図りたい。
 全面禁煙を求めるのは役所や学校、病院など公共施設や博物館、パチンコ店など娯楽施設、百貨店、飲食店など商業施設、交通機関、宿泊施設などで、人が出入りするほとんどの施設と言っていい。

 禁煙が実現すれば画期的だ。しかし強制力のない努力義務にとどまり「罰則なしでは実効性は低い」と批判も上がっている。
 一方、飲食店や宿泊施設などには全面禁煙に対し「来客、売り上げが減る」と懸念する声もある。
 厚労省の通知は事業者にも配慮し、全面禁煙が困難な場合は「喫煙区域を設置」することとし、なおかつ「将来的に全面禁煙を目指すよう求める」と、段階的な禁煙の強化を促している。
 さらに通知は「喫煙区域と禁煙区域を明確に表示し未成年者らが入らない措置を講じる」ことなどの配慮も求めている。
 禁煙と受動喫煙防止策を広げるステップとしていきたい。その実効性は、いかに施設側が禁煙や分煙を明確に表示し、喫煙者がマナーを守るかにかかる。
 最近はファストフード店など全店禁煙の飲食店も増えている。禁煙は時代の要請であり、禁煙で利用客が増える要素もある。事業者の発想の転換にも期待したい。
 通知を受け自治体が関係施設に周知を図ることになるが、施設任せでなく行政のリードで禁煙の機運を高めてほしい。
 長妻昭厚労相は通知の効果を把握し、「さらに踏み込んだ措置が必要か判断する」と、強制力を伴う措置の検討を示唆した。禁煙法を制定した英国など、公共の場を禁煙とし罰金を科している国も多い。
 県内ではバス、タクシーの全面禁煙や、路上喫煙防止条例を設ける那覇市などの取り組みがある。同市の条例は喫煙禁止地区を設け悪質な違反者の過料も定めているが、違反者は巡回員の指導に従っており過料徴収は1件もないという。「禁煙」の設定効果がそれだけ大きいということだろう。
 喫煙は本人だけでなく、周囲の健康にも影響を及ぼす。愛煙家は周囲に配慮してマナーを守り、禁煙の表示に従ってほしい。