県外検討は「時間浪費」 首相「辺野古が唯一」


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自民党本部で記者会見する安倍首相=15日午後、東京・永田町

 【東京】安倍晋三首相(自民党総裁)は15日、衆院選を受けて党本部で記者会見し、県内4小選挙区で米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設を容認する自民候補が全敗したことについて「大変残念だ。真摯(しんし)に受け止める」と語り、移設計画について「唯一の解決策であり、その考えに変化はない」と重ねて強調した。

7月に閣議決定した集団的自衛権の行使容認に信任を得たとの認識も表明し、関連する安全保障法整備を進める考えを示した。経済最優先で政権運営に当たる考えも強調。来年9月の党総裁選に関し、再選を目指す意向を表明した。
 普天間問題で首相は「固定化は断固としてあってはならない」と強調。「抑止力の維持を考えれば、交渉相手があるので、かつての民主党政権のように『最低でも県外』と言えば、県外になるかというとそんなことはない。(民主党は)無駄に時間を浪費するにすぎなかった」と主張した。
 普天間の空中給油機の岩国基地移駐などに触れ「今の普天間は1万戸以上の住宅を防音しなければならないが辺野古に移せばゼロになる」との認識を示し「基地負担軽減について具体的に実績を出すべく努力を重ねていきたい」と述べた。
 原発再稼働問題を抱える鹿児島3区や沖縄での自民候補の落選に関し、地元の民意をどう取り込むかとの質問には「日本は政策を決定し進めるに当たり国民投票制、直接投票制は取っていない。間接代表制の中でわれわれは国民の意思を受け止め、約束を進める義務がある」などと述べた。
 首相は衆院選で多数の議席を得たことを踏まえ、24日に第3次安倍内閣を発足させて安保や経済政策を一層進めていく構えだ。9月の内閣改造・党役員人事から間がないことから全閣僚を再任する意向も固めた。党役員会では谷垣禎一幹事長ら役員を続投させる方針を示した。
 会見では、2015年度税制改正大綱の年内取りまとめを目指すとし「景気回復の温かい風を全国津々浦々に届ける」と説明した。
 憲法改正に関し「最も重要なのは過半数の国民の支持だ。国民的な理解と支持を深めていくため、党総裁として努力したい」と語った。