<南風>食べ方で世界は変わる

 沖縄の伝統食はよく「豚肉なしでは語れない」と言われる。豚肉をたくさん消費しているかのように聞こえるが、昔は豚肉は行事の時くらいしか食べられなかった。1頭の豚をつぶしたら、血や脂も保存し、1年かけて丁寧に食べていた。

 ところが戦後、アメリカに統治されるや、沖縄の食文化は一気に米国化した。肉の消費量は激増し、ポーク缶のような加工肉とファストフードが日常化してしまった。その結果、早世率はワースト1位。沖縄はアメリカに土地を奪われた上、大切な食文化まで乗っ取られてしまったと言える。
 肉を食べ過ぎて病気になる人がいる一方で、世界には栄養失調で死ぬ子供たちが毎年1000万人もいる。そして8億人もの人が慢性的に飢えている。皮肉にも飢餓の原因は実は先進国の肉食過多にある。牛肉を1キロ生産するのに10キロの穀物が必要となるが、この穀物を飢えている国の人々に分配すれば世界から飢餓はなくなるのだ。
 また地球規模の環境破壊も肉食過多が招いている。ハンバーガー1個のために、森林5平方メートルが伐採され、牛の放牧は大地を砂漠化し、糞(ふん)やゲップでメタンガスが発生。地球温暖化の原因を作っている。
 今日何を食べるか。それは個人の健康問題を超えて、世界の人々の生死や環境問題にまで及んでいるということを忘れてはならない。日本も格差社会が広がり、6人に1人の子供が満足に食べられないという。沖縄はもっと多いはずだ。
 今、世界では週に一回肉を減らそうという運動が広がっている。肉なし生活など考えられないという人は、ぜひ浮島ガーデンに来ていただきたい。雑穀で作ったハンバーグや魚フライは予想以上に食べ応えがあり、満足感が得られる。食べたい放題から、昔のような丁寧な食べ方へシフトすべき時が来ている。
(中曽根直子、風土コーディネーター)



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