<南風>ペルーに「沖縄」


社会
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 7月28日、ペルー共和国名誉領事館がある金秀本社で「第196回ペルー共和国独立記念祝賀会」が行われた。スペインから独立し、196年が経(た)つ。

 ペルーといえば、インカ帝国時代の名残があり、マチュピチュなど歴史、自然が豊かな国のイメージがありますが、「沖縄」があることもひとつの魅力です。

 沖縄からペルーへの移民は111年前。現在は約7万人の沖縄県系人が住んでいます。「ペルー沖縄県人会」があり、約3千人が来場する「ペルー沖縄祭り」を毎年開催するなど、他にも行事が盛りだくさん。

 沖縄県がペルーから毎年留学生を受け入れ、沖縄からホームステイや青年会エイサーの指導者派遣などを実施しています。沖縄には「沖縄ペルー協会」があり、懸け橋を担っています。

 マチュピチュなどテレビや雑誌で見る異国の世界に想像を膨らませ、沖縄から離れた南米の地に興味を持ちつつ、初めての人にとっては不安も感じますが、言葉が通じなくとも「沖縄」で通じ合える世界があると思うとすごく近く感じます。

 そんなペルーで来年、冬休み期間の2月上旬に、海外と沖縄の青年が集結する若者の祭典「第6回世界若者ウチナーンチュ大会」を「ペルー沖縄祭り」の日程に合わせて開催します。

 南米のブラジルで第1回を開催し、5年の月日を経て、再び南米の地での開催です。南米や北米など、世界7カ国以上から約150人の若者が集結し、文化、スポーツ、歴史、会議を通して交流を深めます。

 これまでの大会で数多くの物語が生まれました。参加者は海外留学、沖縄や海外に移住、ビジネス展開、国際結婚など様々な形で、大会で得たつながりを自分のものにし、活(い)かしています。

 着火剤のような存在となり、歴史、自然が豊かな国ペルーで生まれる多くの物語が楽しみです。

(玉元三奈美、世界若者ウチナーンチュ連合会代表理事)