コラム「南風」 自発創生

 去る3月に教職を定年退職した際に、退職記念に書名「自発創生~学校づくりは人づくり~」を自費出版し、これまでお世話になった中頭管内の各小・中学校および各教育委員会などに配本させてもらった。
 書名の「自発創生(じはつそうせい)」は、日本女子大学の創立者である成瀬仁蔵の当大学の建学の3大綱領となった「信念徹底、自発創生、共同奉仕」の中句から採った言葉である。

 この句の大意としては、各自の持っている個性を自覚し、その創造的能力の尊重と開発に努めるとともに、自由と責任を自覚することが何よりも大切であるとされている。また、自立主義、自治主義の精神を踏まえつつ、自学学習を奨励し、機械的記憶に案じる習慣を排斥し、いわば自発的研究の意義を強調している名句とされている。
 この「自発創生」との出会いは、私が以前、沖縄市立教育研究所在任中に当研究所にふさわしい名句として、扁額(へんがく)の一つに加えたものであり、それ以来、私自身の好きな金言としてよく使わせてもらっている。
 ところで、拙著「自発創生~学校づくりは人づくり~」の編集内容としては、まず校長として学校経営に関わった実務的な資料を中心に収録したほか、昨年度末、日教弘教育賞優秀賞(北美小)を受賞した研究論文や新聞投稿文などを掲載した。そのほか、教育行政に関わった時代の資料や教師として学習指導などの教壇実践に関わった実践記録文等の主な内容を加味し収録した。拙著が管理職の実務に役立つことを願っている。
 あらためて思うことは、学校の経営は校長だけ、学校だけでできるものではなく、良き支援者としての保護者や地域の方々の理解、協力が欠かせない。学校は、子どもの夢実現のために、保護者や地域と連携・協働して実践し、実をあげることが何よりも重要である。
(山田稔(やまだみのる)、育英義塾教員養成学院非常勤講師、元小学校長)