コラム「南風」 フラワーエッセンス


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 世界60カ国以上で親しまれている自然療法に、「フラワーエッセンス」というものがある。花や植物、鉱物といった生物のエネルギー情報(波動)を、水に転写し、人間の心と体、精神の調和に活用した自然療法の事だ。転写した水を飲む事で、マイナスに傾いている心の状態を回復させ、その人が本来持つバランスが取れた状態へ戻すのである。つまりフラワーエッセンスは、自分が持っていないものを外から持ってくるのではなく、自分の意識の中にある良い面を輝かせてくれる手助けをしてくれるものなのである。

 5年前、フラワーエッセンスを学びにニュージーランドを訪れた。先住民マオリ族は、心身の不調を感じた時、森の中に入って、花に手をかざし、メッセージに耳を傾けてきたそうだ。その時自分に必要な花のエネルギーを頂く事で、心と身体を癒やしてきたのだ。
 指導してくれた先生も、森の中で自然と会話し、自然と共に暮らしていた。ニュージーランドは植物自体の生命力がとても強く、まさに、映画で見た「アバター」の世界がそこには広がっていた。しかし一番驚いたのは、その土地に受け継がれるさまざまな儀式を見て沖縄のユタと共通する部分が多い事だった。また、カウリの木に代表されるように、木そのものを神としてあがめている点も、沖縄の拝所を思い出させた。
 実際、サロンでフラワーエッセンスのメニューを提供しているが、一度受けた人は必ず定期的に訪れる。迷った時や、何か大きな決断を迫られた時、自分自身の進むべき道を見つけたい時に、そっと後押ししてくれるきっかけになるそうだ。
 世の中には目に見えるもの以外に、大切なものがあると思う。植物の声に耳を傾け、自然と対話する時間を作れば、結果として自分自身を見つめる事ができるのではないだろうか。
(山川杉乃(やまかわすぎの)、うみない美代表)