コラム「南風」 太陽光発電の可能性


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 エネルギー資源が少ない日本で今注目されているのが、太陽光や風力、バイオマス、太陽熱、地熱等自然の力による再生可能エネルギーである。これらは、エネルギー自給率の向上や地球温暖化対策、さらには将来の産業育成につながると期待されている。

2012年7月から「再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度」が始まった。2013年度の再生可能エネルギーの調達価格と調達期間は、10キロワット以上の太陽光発電の場合、2013年度は37・8円/キロワット時(20年間)とした。10キロワット未満の場合、38円/キロワット時(10年間)になった。
 この制度の特出すべき点は、再生可能エネルギーによる電気の買い取りを電力会社に義務付けたことである。そのため、民間金融機関も設備投資等、必要なコストの回収の見込みを立てやすくなり、施主に対する融資も促進される。各種金融機関のキャンペーンがそれである。
 注意すべき点は、電力会社が買い取った再生可能エネルギーの電気は、送電網を通じて私たちが使う電気となる。このため、再生可能エネルギーによる電気を電力会社が買い取る費用は、電気を使用する私たちから電気料金とあわせて、「賦課金」という形で集められる点である。つまり、再生可能エネルギー事業は、やらなければ電気料金の負担が大きくなるだけである。そのため、私たちは、再生エネルギーに関して関心を持ち、可能であるなら、既存の屋根等を利用した太陽光発電に参画した方がいいのではないか。誰でも参画可能な事業といえる。
 再生エネルギーにおける分野は、多くの可能性を秘めた産業である。設備のメンテナンスや保険等、さまざまな分野とのつながりが必要となる。再生エネルギーの拡大・普及こそ、民間が活性を取り戻す原動力の一つとなるだろう。
(玉城常治(たまきじょうじ)、T・WIN社長)