コラム「南風」 中野に残る比嘉エイサー


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 今回は東京中野とコザの縁を紹介します。
 東京中野チャンプルーフェスタのメンバーとの交流は、2011年9月の「復興エイサーINいわき」と2012年の3・11に行われた「復興じゃんがらエイサー」での競演がきっかけです。その際に東京の旧「ゆうなの会」の元青年たちが踊っていたエイサーの型が、昔の比嘉青年会(現在の久保田青年会)の伝統的なゆったりとした演舞でした。

 これはいわき市への支援へ久保田青年会と一緒に同行した沖縄市久保田自治会の新城精二自治会長が深く関わっています。新城会長が、比嘉青年会長時代の1975年ごろ、単身で太鼓を抱えて東京に行き、教えた型が残っていたのです。その演舞を見た久保田青年会のメンバーが感動していました。
 遠く離れた海外で世界のウチナーンチュたちが昔ながらのウチナーグチを使っているように、沖縄ではテンポも速く型も変化したエイサーが、東京で伝統を重んじて残っていることに深い感銘を受けました。
 いわきでは、沖縄市久保田青年会エイサーに、地元いわきの創作エイサーや袋中上人縁のじゃんがら念仏踊りと東京中野エイサー&獅子舞の競演を行いました。今年7月13、14日の両日、JR中野駅北口周辺や商店街で行われる「中野チャンプルーフェスタ2013」へ、福島県いわき市のじゃんがら念仏踊り「じゃんがら遊劇隊」や、沖縄市池原青年会エイサー、そして私もMr.スティービーライブで出演することが決まりました。
 残念ながら伝統の比嘉エイサー型は出演しませんが、久保田青年会出身の喜友名政次さんが型の指導を行い、08年に発足した「東京中野区エイサー連合会」所属の4団体も出演します。関東へ行く予定がある方は遊びに来てください。
(喜納高宏(きなたかひろ)、チャンパク実行委員・タレント)