芸能・文化

マルニエ監督が作品語る 社会問題考えるきっかけに

 フランスの名門学校を舞台に、謎めいた生徒たちの振る舞いに翻弄される教師の姿を描いたミステリー・ホラー映画「スクールズ・アウト」。セバスチャン・マルニエ監督は「ホラーという娯楽映画の力で、人々が教育や環境などの社会問題について考えるきっかけをつくりたかった」と語る。

 「現実を生のまま見せるのではなく、音楽や美術を通じて感覚的に伝えられるのが映画の魅力」。特にホラーは「社会から疎外された人を描くことで、監督の問題意識を表現できる」と話す。

 物語は1人の教師が、生徒の目の前で教室の窓から飛び降りる場面から始まる。彼の後任となった主人公ピエールは、クラスの優等生6人が、危険なことをたくらんでいると感じる。

 日本と同じく「フランスの教育制度も多くの問題を抱えている」とマルニエ監督。「進学校では生徒の幸せより成績が重視され、一方で教師の待遇は良くならない」。作中で学校を覆う不穏な気配は、ゆがんだ教育現場の暗喩だという。

 見る者の不安をさらにかき立てるのが、不気味に街を見下ろす原発だ。「自分たちの世界が知らぬ間に毒されているかもしれない。原発を身近な問題として感じてほしい、という思いを込めた」

 東京、大阪、名古屋で10~11月に開催される「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2019」で上映。


(共同通信)