ドローンでイノシシ猟支援、佐賀 山林の箱わな巡回、作業効率化へ


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 佐賀県猟友会多久支部の毛貫茂さんと、イノシシを捕獲するための箱わな=22日、佐賀県多久市

 イノシシを捕獲する箱わなを猟師に代わり、ドローンに自動巡回させる実証実験が5月、佐賀県多久市で始まった。野生鳥獣が農作物を荒らす被害は全国的に深刻な一方、駆除を担う猟師は高齢化で人手が不足しており、険しい山林を見回る作業の効率化を図るのが狙いだ。1年程度かけて実用性を確認する。

 実験はドローン事業を手がける福岡市のベンチャー企業、トルビズオンが担う。山林の3次元データを取得し、かご形のわなを設置した地点の経緯度や高度を入力すると、ドローンが巡回する。動画や、熱を捉えるサーモカメラでわなを撮影し、イノシシが捕獲できていれば現場に向かう。

 実験に協力する佐賀県猟友会多久支部の毛貫茂さん(75)によると、山に10個ほど置いた箱わなを車と徒歩で順番に回ると2時間ほどかかるという。「夏場はすぐにイノシシが死ぬので毎日見回るのが理想だが、しんどい作業だ」と漏らす。

 「ドローンの巡回だと15分程度に短縮可能だ。人がわな周辺に立ち入らないのでにおいが残らず獣の警戒感を緩めることもできる」と毛貫さん。