「黄金の茶道具」一式に3億円 秀吉ゆかり?の品々、競売で落札


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 豊臣秀吉からのほうびとの伝承が残る「黄金の茶道具」一式。東京都内で開かれた競売会に出品され、3億円で落札された

 豊臣秀吉が戦国時代の武将、藤堂高虎に授けたほうびとの伝承が残る「黄金の茶道具」一式が27日、東京都内で開かれた競売会に出品され、3億円で落札された。

 落札したのは茨城県筑西市の広沢美術館。担当者は「緻密な加工で素晴らしい作品。歴史的なものですし、町おこしの一つの目玉にしたいと考えている」と話した。企画展で展示する予定という。

 主催のシンワオークションによると、茶道具は藤堂家に伝わる茶わんや釜、風炉など10点。銀製の茶入れのふた以外は金と銀などの合金製で、金の含有率は80~88%。築城の名手として知られ、後に初代津藩主となる高虎に、秀吉が「黄金の茶室」で愛用した茶道具をほうびとして与えたとの言い伝えがあるという。

 茶道具は1929年の「日本名宝展覧会」にも出品。太平洋戦争下の金属類回収令で供出されたが、武器製造などに用いられることなく、戦後、藤堂家に返された。