フジテック元会長提案へ賛同要請 OB、社外取締役選任で株主に


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 フジテック本社=2月、滋賀県彦根市

 エレベーター大手フジテックの元執行役員ら9人が、創業家出身の内山高一元会長が推薦する社外取締役の選任案への賛同を呼びかける文書を株主に郵送したことが29日、分かった。フジテックの現経営陣は別の社外取締役の選任案を提示しており、6月21日の定時株主総会に向けた支持集めの動きが活発化してきた。

 フジテックを巡っては、大株主の香港ファンド「オアシス・マネジメント」が昨年、会社から内山氏に対する便宜供与の問題を指摘。今年2月の臨時株主総会でオアシスが推薦した社外取締役が4人選任され、内山氏は3月、取締役会の全会一致で会長職を解かれた。

 オアシスの影響を受ける現経営陣は、定時総会に向けて現在の社外取締役5人と新任1人を候補として提案。一方、内山氏側は元官房副長官補の西川徹矢氏ら8人を株主提案している。

 文書は5月24日付。エレベーター事業は長期的管理が必要で「災害への対応や安全保障の観点からも、短期的な利益を目指すアクティビスト(物言う株主)の手に渡すわけにはいかない」と主張している。