国境防衛か、戦線重視か ロシア軍「ジレンマ」と英分析


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 ロシア西部ベルゴロド州で攻撃を受け炎上する家屋=2日(ロイター=共同)

 【ロンドン共同】英国防省は2日、ロシア西部ベルゴロド州に対するウクライナ側からの度重なる越境攻撃により、ロシア軍司令官が「国境地帯の防衛を強化するか、ウクライナ戦線の兵力増強を重視するか、深刻なジレンマに直面している」との見方を公表した。

 米シンクタンク、戦争研究所は1日、ロシアのプーチン政権を敵視する武装集団「自由ロシア軍」が同日にウクライナ側からベルゴロド州への越境作戦を実施したことが裏付けられたと指摘。別の武装集団「ロシア義勇軍団」も越境作戦を行ったと主張した。

 ベルゴロド州への越境攻撃が伝えられたのは5月下旬以来2度目。英国防省は、再襲撃の際にロシア軍や内務省部隊は前回より迅速な対応に成功したと分析した。

 ロシア軍が攻撃ヘリコプターや燃料気化爆弾を搭載したロケット弾の多連装ランチャー「TOS―1A」などあらゆる火力兵器をロシア領内に配備していたことが明らかになったとし、国境とウクライナ戦線への戦力配分を巡って板挟みになっていると指摘した。