妖怪から災害歴史学ぶ、大阪歴博 企画展が好評


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 人々を苦しめる災害や疫病は、「異界」にすむ妖怪や悪霊が原因だった―。日本人の精神世界に迫る大阪歴史博物館(大阪市中央区)の特別企画展「異界彷徨―怪異・祈り・生と死」が好評だ。26日まで。

 発掘された考古遺物や絵画、文献など飛鳥時代(7世紀)から現代まで災害の歴史に関わる約350点を展示。人々が厄災の原因を「この世ならざるもの」の仕業と考え、祭祀や祈りで解決しようと苦心した様子を浮き彫りにしている。

 展示されているのは、疫病神やけがれを水に流す祭祀に使ったとされる土馬(7世紀)や人面墨書土器(8世紀)、てんぐの卵の絵(18世紀)、江戸時代の大坂で活躍した絵師丹羽桃渓が疫病を払う神を描いた「朱鍾馗図」(19世紀)など。