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世界を変えたカロリーナ~その5(完)~

 カロリーナのお祝い会で。左は北尾女流二段

 カロリーナが2級昇級を決めた数日後に、ささやかなお祝い会を開きました。

 これまで応援してくださった方が20人ほど集まって、笑顔で乾杯! それぞれの思い出を語り合い、カロリーナには勝った将棋の自戦解説をしてもらいました。喜びとこれからの期待に満ちた、楽しくて幸せな夜でした。

 香川愛生女流三段の提案で、その時みんなから集めたお祝い金でカロリーナに着物をプレゼントすることになり、後日、生地を一緒に選びに行きました。

 「Shogi is my Life」―。カロリーナが2級になった時のインタビューで語った言葉。その後、彼女が始めたブログのタイトルにもなっていますが、全てを表現していると言ってもいいでしょう。

 この言葉を色紙に書いてほしいと私が頼んだ時、カロリーナは慎重に筆を進めながら言いました。「今はこの一枚しか書かない。私の将棋人生は始まったばかりだから」と。

 4月を迎え、カロリーナは1級へ昇級しました。昨年度の成績が良かったためです。

 2級だった期間はたった1カ月と1週間というわけで、カロリーナにもらった色紙はさらに「貴重品」となり、大切に額に入れて飾ってあります。

 さて、カロリーナとの思い出を5回に分けて語りましたが、最後にこれからの彼女に期待を込めて一言述べてみたいと思います。

 プレーヤーとしての活躍を望むのは当然として、次に楽しみなのは海外での将棋普及活動です。英語を話せる棋士はこれまで少なく、外国で将棋を知っている人もまだ少ないのが現状です。

 ポーランドにいた頃から将棋仲間を増やすために数多くのイベントをしてきたカロリーナは人前で話すのがとてもうまく、ワークショップや講演などにとても向いています。

 以前、東大生とフランスのグランゼコールの学生交流会で将棋を教えた時は、プレゼンテーションがとても上手で感心しました。

 とても興味深いのが駒の覚え方。漢字が読めなかった頃に駒の字をどのように覚えたか、絵を描いて説明してもらいました。

 こうした工夫をどんどん広めてほしいです。どんな競技でも世界戦ができるようになると盛り上がります。早く第2の外国人棋士が誕生し、プロを夢見て日本に来る若者が増えることを願っています。(北尾まどか)


(共同通信)