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『ライフ』 宇宙ステーションを舞台にしたSFホラー

 

 ライフ=生命。鉄板の人気ジャンルであるネイチャー・ドキュメンタリー映画の新作か?と勘違いしそうだが、実はホラー映画。しかも、SF映画史に燦然と輝く2本、『エイリアン』と『ゼロ・グラビティ』を掛け合わせたようなSFホラーなのだ。

 舞台は、地上から約400km離れた国際宇宙ステーション(ISS)。火星で未知の生命体が発見され、調査のためISSに運び込まれる。地球では世紀の大発見にわき立ち、その生命体は「カルビン」と名づけられる。ところがカルビンは、底知れない生存本能によって人類に牙をむき…。

 単細胞生物の粘菌に着想を得たというカルビンの造形がとてもユニーク。近年のハリウッド映画はいずれもそうだが、細部まで突き詰めたSF考証には説得力があり、純粋に生き残るためだけにISSの乗組員を襲うカルビンは、我々人類にさまざまな警鐘を投げかける。そこにさらに、空気や重力の有無が乗組員の生き残りに大きく関与していくのだ。

 冒頭のワンシーン=ワンカットで見せるISS内の無重力描写も含め、『エイリアン』と『ゼロ・グラビティ』両方の要素を持っているというよりは、2作を掛け合わせた相互作用の魅力と怖さがある。そして、賛否が割れそうなラスト。後味が悪いという以上に物語世界を卑近にしてしまうからだが、だとしても十分に怖い。★★★★☆(外山真也)

監督:ダニエル・エスピノーサ

出演:ジェイク・ギレンホール、レベッカ・ファーガソン、ライアン・レイノルズ、真田広之

7月8日(土)から全国公開


(共同通信)