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『ヨチヨチ父 とまどう日々』ヨシタケシンスケ著 細部に見えるパパの気づかい

 

 今、日本で一番「怒られるのが似合う絵本作家」ことヨシタケシンスケ(アリー調べ)。ここ最近の活躍ぶりは飛ぶ鳥を落とす勢いなのに、そもそも鳥が飛んでることにすら気付いてなさそうな、そんでもって晴れた日に公園でキャッチボールしてたら手元が狂ってヘンなとこ飛んでっちゃって、結果その球で飛ぶ鳥を落としちゃった的ホンワカパッパな空気漂うヨシタケシンスケ。そして「ちゃんとグローブ狙え」なんて相手に怒られてそう(イメージです)。そんな彼の新刊が発売されました。

 「パパは共感。ママは落胆。」。帯にそう書かれている通り、パパの本音が描かれている本書。「『父として最初に我が子に望むこと』。それは『早く首がすわってほしい』です。」「パパは、赤ちゃんをさわりにくる見ず知らずのオバチャンに、どう対応していいかわかりません。」きれいごとも夢も一切書かれていない、情けなさ全開のエピソードが満載だ。

 それでも、のほほんとしていそうで自分の子供達への細部にわたる気配りを感じる。登場するパパとママが一組だけじゃないことや、登場する子供達を実際とは違う性にしたりするのも、「君たちを食い物にしてるわけじゃない」ということの表れのように思える。

 家庭の安泰を願う父の気配りが随所に垣間見えた本書。いやーお父さんてやっぱ大変なんですね。ヨシタケ家に幸あれ!

(赤ちゃんとママ社 900円+税)=アリー・マントワネット


(共同通信)