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『Vision』 カンヌ常連監督が撮る、美しい緑の物語

(C)2018“Vision”LDH JAPAN, SLOT MACHINE, KUMIE INC.

 是枝裕和監督の映画『万引き家族』と同日公開されるのが、こちらもカンヌ国際映画祭に愛されている女流監督の河瀬直美による最新作。河瀬直美監督は、1997年に製作した『萌の朱雀』が第50回カンヌ国際映画祭の新人監督賞を史上最年少だった27歳で受賞して大喝采を浴びました。その後も、カンヌ国際映画祭で数々の賞を受賞し、第66回カンヌ国際映画祭ではコンペティション部門の審査員に選出された華麗な経歴の持ち主です。そんな彼女の最新作が、なんとフランスの大女優であるジュリエット・ビノシュと初タッグを組んだ本作。河瀬監督の地元である、奈良にある吉野の山を舞台に、ファンタジックな物語が展開しています。

 「Vision」という幻の薬草を探していくビノシュ演じるエッセイストと、彼女が山の中で出会う個性的な登場人物たち。永瀬正敏、そして三代目JSBの岩田剛典、森山未來、と一人一人紹介していきたいほど、全員が印象的なお芝居をしているのですが、私がこの映画で一番心奪われたのは、舞台となった吉野の山。河瀬監督が映し出すのは、山の木の葉がさわさわと揺れる音や、立ち並ぶ木々に作られていく深く美しい緑と、太陽光の見事なコントラスト。神の存在を信じたくなるような、あまりに神々しい自然の美しさに圧倒された作品でした。★★★★☆(森田真帆)

監督:河瀬直美

主演:ジュリエット・ビノシュ、永瀬正敏、岩田剛典

6月8日(金)から全国公開


(共同通信)