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『万引き家族』 家族を丁寧に描く前半から、怒涛の展開の後半へ

(C)2018フジテレビジョン ギャガ AOI Pro.

 本作で第71回カンヌ国際映画祭の最高賞であるパルムドールを受賞した是枝裕和監督は、私たちが見て見ぬ振りをしてきたであろう、日本社会の闇に生きる家族を描きました。

 高層マンションが立ち並ぶ都会の片隅に立つボロボロの平屋には、ぐうたらで万引きしか特技のない父と、素っ気なく見えながらも愛情に溢れた母、父親と共に万引きを繰り返す息子、風俗で働く、母の妹、そして優しいおばあちゃんが暮らしています。ぐっちゃぐちゃの狭い部屋の中、肩を寄せ合って暮らす5人。最初は、なんて悲惨な話なのかしらって思っていたら、みんなでワイワイ楽しそうに暮らす様子に、だんだん胸が温かくなっていく。そんな彼らに何が起きるかは、ここからはネタバレになってしまうので劇場で楽しんで欲しいのですが、家族を丁寧に描いた前半が、後半から一気にストーリーが変わっていく怒涛の展開はお見事の一言でした。

 主演のリリー・フランキーをはじめ、安藤サクラ、樹木希林、松岡茉優と申し分のない演技派の俳優陣に加え、子役の城桧吏、佐々木みゆがあまりにも素晴らしい! 是枝監督は、全く説教臭さがない描き方で、私たちに貧困の現実、何が正義なのかを考えさせてくれます。★★★★★(森田真帆)

監督:是枝裕和

出演:リリー・フランキー、安藤サクラ、樹木希林、松岡茉優、城桧吏、佐々木みゆ

6月8日(金)から全国公開


(共同通信)