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『顔たち、ところどころ』 年齢なんて関係ない! 今年最高のドキュメンタリー

(C)Agnes Varda-JR-Cine-Tamaris, Social Animals 2016

 今年観たドキュメンタリーの中で、文句なしのナンバーワン! 観た後に、いろんな人にオススメしたくなった素晴らしい作品なので、この場を借りて本作の存在をご紹介できることがとっても嬉しいです。登場人物は、「ヌーヴェルヴァーグの祖母」と言われた、女流監督のアニエス・ヴァルダ。現在90歳のおばあちゃんですが、めっちゃくちゃファンキーでおしゃれでチャーミングなので油断禁物ですよ。彼女とともにカメラを回す監督であり、もう一人の登場人物でもあるJRは、いつもサングラスをかけているクールなアーティスト。おばあちゃんと孫くらい年の離れた二人は、ある日一緒に映画を作ることとなり、JRの持つ写真スタジオ付きトラックでフランスの農村を巡る旅が始まります。

 年齢差とか全然関係なく、一緒に歌ったり、おしゃべりしたり、喧嘩したり、気まずくなったりしている二人がとっても愛おしくて。こんな風に年の壁なんてすっ飛ばして人間関係を築いていけたら最高じゃないか! と、とっても感動しました。

 さらに人間としての魅力のみならず、アーティストとしての二人の活動もとっても魅力的! 彼らが様々な場所で出会う人々、彼らの顔。アニエスとJRが写し出す顔はキラキラと輝いていて、その写真で彼らが作り出すHAPPYなアートが本当に最高なんです。この映画を観るまで老いるのが少し怖かったけれど、生きることが、人を美しくする。深くなっていくシワも、どれもが自分の一部なんだなって、とってもまっすぐに人生をポジティブにしてくれる映画でした。★★★★★(森田真帆)

監督・出演 アニエス・ヴァルダ、JR

9月15日(土)から全国順次公開


(共同通信)