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<再ブレーク盤> 忌野清志郎『ベストヒット清志郎』 晩年近くのあの高音が、妙に優しくて泣けてくる

 忌野清志郎『ベストヒット清志郎』

 2018年11月公開の映画『体操しようよ』にRCサクセションの同名曲が主題歌に起用されたことを機に、ソロやバンドを含め清志郎が参加したタイアップ曲を集めた企画盤。メディアに流れることを想定して作られた楽曲が多いためか、いつも以上に華やかだ。

 CD2枚にわたって全35曲が、タイアップの年代順となっており、当時のCMやTV番組の映像が一緒に浮かんでくる。特に、Disc1では『NEWSを知りたい』、『サラリーマン』など社会と向き合った歌が多く、清志郎のロックは決して反社会的ではないと分かる。また、晩年に差し掛かった00年代の作品は、あのクセのある高音が時々妙に優しくてなんだか泣けてくる。

 興味深いのは逝去した09年以降も、過去楽曲の中から多数のタイアップが生まれていることだ。『誇り高く生きよう』も『太陽の当たる場所』も、相手への強い想いが伝わるし、随所に清志郎節を取り入れた『上を向いて歩こう』のカバーも、世界平和を祈念するように底抜けに明るい。今こそ彼の歌が求められているのだろう。

 アサミカヨコによるイラストのジャケットも愛らしい。本作を聴けば、大切な人の言葉や声がより胸に響くはず。

(ユニバーサル・3000円+税)=臼井孝

ベストヒット清志郎
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(共同通信)