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ピサとフィレンツェの囲碁クラブへ

 フィレンツェ囲碁クラブのメンバーと記念写真

 イタリアでは二つの囲碁クラブを訪問し、将棋を紹介してきた。一つは斜塔で有名なピサの街の囲碁クラブで、夜にビアホールに集まって打っているとのこと。

 会場に向かう途中で突然の土砂降りにあってたどり着くのに苦労したが、私たちが到着したときには既に10人ぐらいが盤を囲んでいた。

 隣のテーブルに「どうぶつしょうぎ」と将棋盤を並べると、数人が興味を持って集まってきてくれた。

 岡勇さんにイタリア語の通訳をしてもらいながら、将棋とチェスの共通点や違い「どうぶつしょうぎ」のルールについて説明する。

 みんな将棋自体の存在は知っていたようで、中でもチェスができるという若い男性と、お父さんと一緒にきていた少年が熱心に聞いてくれた。

 その二人を相手に飛車と角を渡し、私の玉を追いかけて詰ますゲームをしてみたところ、漢字の駒に慣れるのに少し時間を要したけれど、二人ともゲーム感覚が良くてあっさり捕まえられた。

 さらに詰将棋を盤に並べて出題すると、じっと考えている。集中力の高い利発な子で、きっと将棋もすぐに強くなるなあと思って眺めていたら、そばにいたお父さんが鞄から何やら取り出してきた。

 驚いたことにそれは、「ねこまど」が作って販売している駒で、アムステルダムの囲碁ショップでその品物を見つけて購入したのだという。

 そのつながりに感動していると、次に出てきたのはなんと手作りの「どうぶつしょうぎ」のセット。少年の妹が作ったものだそうで、サインをしたらとても喜んでくれた。

 兄妹が楽しく遊んでくれているところが目に浮かび、私もとても幸せな気持ちになった。

 その翌々日はフィレンツェへ。こちらの囲碁クラブは柔道の道場を借りて行われているとのこと。

 せっかくなので街を一望できることで有名なミケランジェロ広場に立ち寄り、美しい夜景を眺めてから会場へ行くと、まだ柔道の練習中で場所が空いていなかった。

 部屋の隅にある机を借りて、9歳のエレナちゃんと「どうぶつしょうぎ」を始めた。遊んでいるうちにすぐに上手になって大人たちと対局をし始める。

 道場の場所が空いてから、「おおきな森のどうぶつしょうぎ」(将棋の動物イラスト版)と将棋を並べて説明する。

 動ける方向に印がついているのですぐに始められ、一つの対局をみんなで進めながら、次々わいてくる質問に答えていった。

 気がつくと午後の11時を既に過ぎていた。楽しい時間はいつもあっという間だ。

 記念撮影をしてこのコラムの掲載許可を得てから解散。私が次に行くのはいつになるか分からないけれど、渡した将棋セットがなるべくたくさんの方に触れてもらえることを願っている。(北尾まどか)


(共同通信)