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『女王陛下のお気に入り』 絢爛豪華な宮廷で繰り広げられる女の闘い

(C)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

 2月24日(日本時間の25日)に発表されるアカデミー賞で、9部門10ノミネート(最多タイ)されている話題作だ。18世紀初頭、フランスと戦争中のイングランドのアン女王は、体が弱くワガママで寂しがり屋。幼なじみのレディ・サラが、女王を陰で操っていた。そんな中、侍女として宮廷入りしたサラのいとこ・アビゲイルが、次第に女王の心をつかんでいく…。

 冒頭、馬車が仰角の超ワイド・レンズで曲がる画面に驚かされる。「曲がる」とは、文字通り道を曲がるわけだが、それが画面のゆがみによって増幅され、異様な空気をまとう。このシーンに限らず、屋内でもゆがんだ画面(や逆光)が多用され、しかもカメラを動かすことで、いびつさが強調されている。ホラー映画なら理解できるが、これは絢爛豪華な宮廷もの。その上、見どころは熾烈な女の闘いと、それを体現する女優3人の演技(そろってオスカー候補に!)なのだ。

 監督は、『ロブスター』『籠の中の乙女』などで評価の高いギリシャの鬼才ヨルゴス・ランティモス。それだけに後半に至ると、演技合戦を邪魔するかのような演出の意図が見えてくる。風刺の効いた物語や大仰な音楽と相まって、“洗練”とは程遠い宮廷のグロテスクさ、頽廃感が浮き彫りになってくるから。彼の演出は決して奇をてらったものではなく、しっかりと女優陣の見事な演技を補完しているのだ。★★★★☆(外山真也)

監督:ヨルゴス・ランティモス

出演:オリヴィア・コールマン、エマ・ストーン、レイチェル・ワイズ

2月15日(金)から全国公開


(共同通信)