社会

犠牲者の冥福祈り、海に合掌 「ようやく向き合えた」

 東日本大震災の犠牲者を慰霊するため、海に向かって手を合わせる宮下規弘さん(右)ら=10日、福島県いわき市

 東日本大震災の津波被害を受けた福島県いわき市永崎の海岸で10日、近くに住む無職宮下規弘さん(75)が海に向かって合掌した。津波のトラウマによる不眠症やうつ病に悩まされたが「8年がたち、ようやく海と向き合う気になれた」と、地区の犠牲者7人の冥福を祈った。

 宮下さんは腰まで津波に漬かり、ブロック塀によじ登って助かった。ごう音や、どす黒い津波、目の前を流れていく車などが、ずっと頭から離れなかった。

 今月2日に地区の防潮堤などが完成したことが、気持ちの区切りに。妻と知人とともに浜辺に立ち「これからは胸を張って生きていけそう」と、久しぶりの海風を浴びて前を向いた。


(共同通信)