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志多伯豊年祭、獅子舞勇壮に 八重瀬 棒術や組踊に区民総出


志多伯豊年祭、獅子舞勇壮に 八重瀬 棒術や組踊に区民総出 6年ぶりに勇壮な姿を現した「獅子加那志」。道ズネーでは区内の拝所を巡った=17日、八重瀬町志多伯の「根屋」
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 【八重瀬】八重瀬町志多伯(神谷常夫区長)の「獅子加那志13年忌豊年祭」が旧暦8月15日に当たる17日、開催された。区の守り神「獅子加那志」が6年ぶりに登場し、五穀豊穣と無病息災を願って区内の拝所などを道ズネーした。舞台では、獅子舞をはじめ棒術や組踊などが区民総出で繰り広げられた。

 豊年祭は人の年忌法要の周忌で開かれ、今年は戦後3巡目の13年忌。台風14号接近に伴い夕方から天候が崩れたが、町内外から見物客が多数訪れた。

 日中の道ズネーでは、野呂殿内や根屋など8カ所の拝所を回り、踊りや獅子舞を奉納した。夜の舞台では、雨に負けない区民の熱演に見物客が見入った。

華麗な棒術などが次々に展開された「武の舞」

 獅子舞の見せ場の、獅子が後ろ足で立ち上がり地面にある「金の玉」を狙って辺りを見回す場面では、後ろ足役の膝上に前足役が立って獅子の立ち姿を表現。高所から見下ろす獅子の迫力に、「おお」と歓声が沸いた。鑑賞した金城志穂さん(22)=町志多伯=は「豊年祭にだけ現れる獅子加那志は、イベントで使う複製と違ってやっぱり迫力がある」と話した。

 豊年祭は台風のため、2日目の18日は中止となった。神谷区長(65)は「荒天だったが、初日は全ての演目を無事に終えることができて良かった」として、12年後となる次の豊年祭に向けて「獅子舞や棒術、踊りそれぞれに、保存会を中心に若手へ技術を継承できた。次に向けて資金を積み立てつつ、思いもつないでいきたい」と語った。

 (岩切美穂)