社会

台風19号接近 家庭の備えは大丈夫? 停電、強風、浸水対策はこうしよう

市民防災研究所が作り方を公開している手作りのランプ=東京都江東区で2019年9月12日午後2時45分、小川祐希撮影

 大型で猛烈な台風19号が日本列島に接近している。12日夕方から夜にかけて関東か東海地方に上陸する見込みだ。9月に千葉県などで大きな被害をもたらした台風15号より広範囲で、大荒れとなる可能性もある。家庭で台風に備えるポイントをまとめた。

 ◇停電=スマホ充電、明かりの確保を

 台風15号被害で深刻だったのが停電だ。関東で最大93万5000戸が停電し、復旧の遅れも問題になった。

 大規模停電は、昨年9月の北海道地震でも起きた。登別市の遠藤奈津美さん(32)は「一番つらかったのは、給湯器が使えず湯が出なかったこと。震えながらシャワーを浴びた」と振り返る。

 遠藤さんがまず困ったのは、家族や友人との連絡や情報収集に使っていたスマートフォンの電池が、すぐに切れそうになったこと。慌てて自家発電機のある職場で充電したが、それ以降、車のシガーソケットで使えるスマホ用の充電器を備えるようになった。車のガソリンも、警告ランプが点灯する前に給油するようにしているという。

 冷蔵庫や給湯器の使用は復旧まで待つしかないが、家庭で明かりは確保しておいた方がいい。公益財団法人「市民防災研究所」の坂口隆夫理事は「懐中電灯や乾電池を備えるのはもちろんだが、電池の種類や交換方法も事前に確認を」と指摘。空き瓶・空き缶とティッシュペーパー、アルミホイル、食用油でランプやコンロを作る方法もあり、研究所のサイトで紹介している。坂口理事は「食用油は容易には火が付かないので安全に使える。家族で楽しみながら作ってみてほしい」と話す。

 ◇強風=飛ばされそうなものは室内かロープで固定

 千葉県木更津市に住む50代男性宅は、2階寝室の窓が台風15号の強風で割れた。男性が枕元に置いていた懐中電灯で照らすと、ガラスが細長くとがった状態で頭上に迫っていた。「刀のようで、立ち上がっていたら刺さっていた。カーテンを閉めておくべきだった」と恐怖を語る。

 強風への備えは、物を飛ばさないことと、飛んでくる物で被害が出ないようにすることの両方が必要だ。京都大防災研究所の丸山敬教授(建築耐風工学)は、台風シーズン前に自宅の点検をするよう勧める。屋根瓦のひび割れやずれ、トタンのめくれ、スレートの緩みなどがないか見て、異常があれば業者に連絡する。さらに台風が近づいてきたら、飛ばされそうな物は室内に移すかロープなどで固定する。雨戸やシャッターを閉め、雨戸などがない窓はできれば板でふさぎたい。

 室内でもガラスの飛散防止対策を取ろう。市民防災研究所の坂口理事は、カーテンやブラインドを閉めた上で、飛散防止フィルムや段ボール、×と+を重ねた形のガムテープを貼ることを提案する。窓がない部屋に避難し、窓が割れたら屋内でも靴を履く。吹き込んだ風圧で屋根が吹き上がらないよう、反対側の窓やドアは開けた方がいい。

 ◇浸水=「水のう」で逆流防ぐ

 台風で大雨になると、屋外で水があふれていなくても、トイレや風呂場、洗濯機の排水口など思わぬ場所から下水が噴き出してくることがある。これは下水管の水位が急上昇し、宅地内の排水管を通って逆流するためだ。

 国土交通省は、予防策として45リットル程度のビニール袋に水を入れた「水のう」作りを勧めている。袋を二重にし、半分程度まで水を入れてから、残りの空気を抜いて中袋の口を固く締める。外袋はひもできつく縛るといい。これであらかじめ排水口やトイレの便器をふさいでおけば、逆流を防げる。水のうを段ボール箱に入れて玄関などに置くと、土のうの代わりにもなる。

 床下浸水が発生すると、キッチンなどにある床下の収納から水があふれてくることもあり、重いものでふたをふさぐと浸水を軽減できる。重要な書類や高価な家財、数日分の衣類を高い場所へ移しておくことも大切だ。【小川祐希、御園生枝里、金秀蓮】

 ◇ライフライン寸断への備え

<電気>

情報を得る=電池式ラジオ、携帯電話を満充電に▽明かり=懐中電灯と電池▽熱中症対策=保冷剤

<水道>

1人あたり9リットル(3日分)の飲料水、風呂に水をためる

<ガス>

ボンベ式の卓上コンロ、火や水が不要な非常食

※京大防災研究所監修「台風時の強風被害に対する対応」を基に作成


(毎日新聞)