社会

「胸がいっぱい」「早く読みたい」 又吉直樹さん「人間」サイン会 東京・神保町

サイン会でファンと交流する又吉直樹さん=東京都千代田区で2019年10月10日午前10時23分、根岸基弘撮影

 芥川賞作家でお笑い芸人の又吉直樹さんの初の長編小説「人間」(毎日新聞出版)が10日発売されたのに合わせ、東京都千代田区の三省堂書店神保町本店で午前、又吉さんのサイン会が開かれた。約50人のファンが集まり、又吉さんとの交流を楽しんだ。【牧野宏美/統合デジタル取材センター】

 店内は書影のポスターが多数飾られ、店員は「僕達は人間をやるのが下手だ。」と小説の一節が書かれた特製のTシャツ姿で客を出迎えた。又吉さんはこの日午前10時過ぎ、ゆったりしたグレーのスーツに白いスニーカー姿で来店。「人間」がタワーのように積み上げられた特設コーナーの前で記念撮影を行った。報道陣に感想を聞かれ、「いよいよ発売。どんなふうに読んでいただけるのか楽しみです」と語った。

 午前10時20分ごろから始まったサイン会では、又吉さんはファン一人一人に「ありがとうございます」と声をかけ、笑顔で握手を交わしていた。「作品が生きる力になっています」と語りかけるファンもいた。

 参加した東京都北区の主婦、青木悠理さん(28)は「芸人としても作家としてもファン。会えて胸がいっぱいです」と興奮した様子。「過去の作品も全部読んでいるが、人の心情を丁寧に描いているところが好き。早く読みたいです。93歳の祖母も又吉さんの作品が好きなので、サインを見せたら喜ぶと思います」と話していた。

 「人間」は、芥川賞を受けた「火花」、来年映画化される「劇場」に続く又吉さんの3作目で、毎日新聞夕刊で昨年9月3日~今年5月15日に連載された。執筆時の又吉さんの年齢と同じ38歳の男が主人公で、青春の後も続く残酷さとほのかな救済がテーマになっている。1540円、368ページ。


(毎日新聞)