社会

「果物送った」は特殊詐欺の序章? 警戒緩む親、被害相次ぐ

 「果物を送ったよ」。息子などを装ったそうした内容の電話を受け、現金をだまし取られる特殊詐欺の被害が今秋以降、千葉県内で相次いでいる。子どもから果物を送ると言われて気が緩む親の心理につけ込んだ手口で、県警は「果物を送ったと言われてからお金の話になったら注意してほしい」と呼びかけている。【町野幸】

 県警捜査2課によると、10月ごろから千葉市を中心に複数の被害情報が寄せられており、県内では昨年までにはなかった手口という。千葉中央署管内では10月に2件の被害があった。被害者はいずれも70代の女性で、息子を装ってかかってきた電話を信じ、自宅を訪ねてきた人物にそれぞれ400万円と100万円をだまし取られた。

 手口としては、まず息子などを装った人物から電話があり、「果物を送ったよ」などと告げられる。後日、再び同じ人物から電話があり、「送った荷物の中に仕事上の契約書を一緒に入れてしまい、会社に損害を与えてしまった」「小切手を入れてしまい、すぐに必要になった」などと言われ、その肩代わりを依頼される。そして、被害者宅に上司や同僚を装った人物が現れ、現金を手渡して、だまし取られてしまう。

 「送った」と言われる果物の種類は、ぶどうに始まり、秋が深まるにつれてリンゴやミカンなどに変化しているという。果物はあくまで電話の会話のきっかけにすぎないが、千葉中央署幹部は親の心理を巧みに利用しているとみている。

 同署の一宮敏郎副署長は「高齢者は特に果物を贈られると言われるとうれしくなって警戒心が緩む。親心にもつけ込んだ卑劣な犯罪だ」と分析。被害に遭わないために「果物を送ると電話で言われた後にお金や小切手の話をされたら詐欺を疑い、話を信じる前に子どもに電話して確認してほしい」と話している。


(毎日新聞)









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