社会

新潟・高3自殺 “SNSでいじめ”認定 県第三者委「学校の理解不十分」

調査報告書を稲荷善之教育長(左)に渡す伊藤真理子部会長=新潟市中央区の新潟県庁で2020年1月30日午後2時3分、井口彩撮影

 下越地方の新潟県立高3年の男子生徒が2018年、いじめを受けたことを示唆するメモを残し自殺した問題で、県の第三者委員会は30日、男子生徒がソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を使ったいじめを受けていたとする調査結果を発表した。

 男子生徒は18年6月27日、家を出た後に行方が分からなくなり、28日に遺体で発見された。生徒のスマートフォンや自室には、いじめを受けたとの趣旨のメモがあり、第三者委は同8月に調査を始めた。

 報告書によると、男子生徒は2年時から同級生に身体的な特徴をからかうあだ名で呼ばれた。3年時には男子生徒の匿名のツイッターアカウントを他の生徒が特定。生徒の間で広まり、アカウント名で呼ばれたり、投稿の苦情を言われたりした。ツイッターの投稿は男子生徒にとって「実生活で感じたネガティブな感情や欲求を匿名で発散できる数少ない場」だったという。

 第三者委はこうした複数のストレスが積み重なった結果、男子生徒が自殺を選択したと分析したが、学校は、本人から訴えがなかったためにいじめだと認識していなかった。第三者委は「当時の学校がいじめの定義を十分に理解していなかった」と批判した。

 部会長の伊藤真理子新潟青陵大教授(心理学)は「SNSによるいじめは目に見えにくいが、実際の人間関係(の悪化)に反映されていた」と指摘。教員の多忙さも要因の一つだとして、スクールカウンセラーなどの活用を提言した。

 遺族は第三者委を通じ「いくら泣いても悔やんでも息子は帰ってきません。こんな思いをする人がいなくなるように、いじめに対し人ごと、事務的ではなく、思いやりを持って考えて対応してほしい」とのコメントを出した。

 稲荷善之教育長は「教員一人一人にいじめの定義が浸透しているかは課題であり、率直に反省しなければならない」と述べた。【井口彩】

 ◇いじめなどの相談窓口

・24時間子供SOSダイヤル=0120・0・78310(なやみ言おう)、年中無休、24時間

・児童相談所全国共通ダイヤル=189(いち早く)、年中無休、24時間

・子どもの人権110番=0120・007・110、平日午前8時半~午後5時15分

・チャイルドライン=0120・99・7777、毎日午後4~9時(18歳まで)


(毎日新聞)









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