社会

感染防止で使い捨て鉛筆用意 緊急事態宣言下の選挙 マスクとゴム手袋で投開票 

ゴム手袋をはめて開票作業をする職員=大阪府太子町で2020年4月12日午後9時11分、隈元悠太撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大が、選挙にも影響を及ぼしている。政府は「民主主義の大原則」(安倍晋三首相)として、選挙を予定通り実施する方針を堅持。緊急事態宣言が発令された7日に町長選が告示され、12日に投開票があった大阪府太子町では、有権者の感染を避けようと投票時に使い捨ての鉛筆を用意するなどして注意を払った。

 町長選は2020年1月までに現職と新人2人の計3人が出馬を表明し、選挙戦が確実視された。町が感染防止対策に乗り出したのは2月下旬。総務省が選挙実施時の対応として「せきエチケットの徹底」などを求めてきたためだ。だが、町は同省の策は不十分と判断。多くの有権者や町職員が集まる投開票時は「3密(密閉、密集、密接)」が起こりやすいと危惧し、一層のリスク低減を図ることにした。

 投票所に用いた公的施設5カ所のうちの1カ所は、これまでの保育園から公民館に変更。子どもへの感染を避けようとする狙いだ。有権者へ投票用紙を渡す際も、1メートル間隔で並んでもらうための印を床に張った。さらに候補者名を投票用紙に書くための「記載台」も離して設置。期日前投票の段階から使い捨て鉛筆を渡すなど徹底した。

 投開票に関わる職員はマスクとゴム手袋を着用。開票所となった町立ホールでは、得票状況が見られるように用意していた一般席を今回は用意しなかった。

 期日前投票を利用した30代の女性は「感染防止策のおかげで安心して投票できた」と話す一方、「正直、外出は避けたかった」と悩ましげ。町選管関係者は「選挙を実施するなら万全の対策を取りたかった。ただ、この状況下で多数の人が集まる選挙を実施するのはいかがなものか」と国の対応に疑問を示した。

 同じ日に投開票された大阪府茨木市長選でも、市選管は使い捨ての鉛筆を導入。開票に携わる職員を通常の約400人から280人ほどに減らし、開票所の換気も行うなど気を使った。両選挙では、出馬した候補者の陣営でも多くの支持者が集まる出陣式を取りやめるなど、異例の動きが目立った。

 総務省によると、1995年の阪神大震災や2011年の東日本大震災直後に特例法で被災地の選挙を延期した例がある。今回も公明党などが緊急事態宣言の対象地域の選挙は延期すべきだとの考えを示しているが、自民党は消極的な姿勢を示している。【隈元悠太】


(毎日新聞)









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