社会

自粛のGW、かき入れ時の尾道は閑散 しまなみ海道レンタサイクルも中止に

人通りが絶え閑散とした尾道本通り商店街=広島県尾道市土堂で2020年4月25日、渕脇直樹撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、広島県内は25日、静かな大型連休の初日を迎えた。感染リスクを減らす狙いで、県は5月6日まで外出の自粛と休業を要請しており、例年ならばかき入れ時の観光地では経営者らの悲鳴が上がった。【渕脇直樹、手呂内朱梨】

 観光地の尾道市では訪れる行楽客もまばらで、まちは閑散とした雰囲気に包まれた。

 例年、多くの買い物客で混雑する尾道本通り商店街では飲食や物販などほとんどの商店が臨時休業。観光スポットの千光寺公園と中心市街地を結ぶロープウエーも運休中で、山麓(さんろく)駅近くで持ち帰りの豚まん店を営む服部恭典(やすのり)さん(64)は「売り上げは例年の1割。国の対応が後手に回り、感染拡大を招いた」と不満をあらわにした。

 臨時休業中のお好み焼き店店主、藤井央(ひろし)さん(72)は「32年間店をやっていてこんな大型連休は初めてだ。家賃が払えず廃業する店が出てくるのではないか」と懸念した。

 人気のラーメン店やスイーツ店が建ち並ぶ海岸通りも人影はまばらだった。埼玉県から観光で訪れた会社員の男性(24)は「自粛要請は知っていたが、予定していたので……。ラーメンを食べて(竹原市の)大久野島に渡ります」と話していた。

 尾道と愛媛県今治市を結ぶ瀬戸内しまなみ海道は国内外のサイクリストに人気だが、レンタサイクルが中止されたこともあり、愛好家の姿はほとんどなかった。

 ◇「広島は屈しない」駅前百貨店に懸垂幕

 県などが他県との往来自粛を呼びかけたこともあり、25日は広島駅(広島市南区)を午後4時までに発着した新幹線の下りで自由席の乗車率が10%以下に落ち込んだ。周囲の店舗もほとんどが休業しており、福屋広島駅前店の壁面に広島東洋カープが掲げた「広島は屈しない 決して屈しない!」との懸垂幕(縦25メートル、横1・8メートル)が、人影の絶えた駅頭を静かに見下ろしていた。

 この日、駅前を訪れていた広島市東区の男性会社員(57)は大型連休中に鳥取県米子市への帰省を考えていたといい「入院中の母を見舞いたかったのに……」と残念そうに話していた。


(毎日新聞)









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