国際

中国・武漢で全市民にPCR検査 「1000万人規模」意義に疑問の声

 中国で新型コロナウイルス感染が最初に確認された人口約1100万人の湖北省武漢市が、全市民を対象にしたPCR検査(遺伝子検査)をしている。市内の各地区で5月14日前後に始め、約10日間程度で終えるという。10億元(約150億円)以上となる検査費用は同市などが負担する。ただ、1日あたり約100万人の検査を本当にできるかは不透明で、中国内でも、その意義に疑問を投げかける声が出ている。

 同市が検査に踏み切ったのは、5月上旬に1カ月ぶりに新たな集団感染が見つかったためだ。新型ウイルスの「震源地」として中国内でも厳しい目が向けられており、再開されたばかりの経済活動を継続するためにも、無症状を含めた感染者数を把握する必要があると判断したとみられる。中国のニュースサイト・財新ネットは16日、「検体採取のため長蛇の列ができている」と15日午後の市内の様子を伝えた。

 地元紙・湖北日報(電子版)によると、市内には386カ所の検体採取場があり、1日に最大10万人分の検査能力があるという。ただ、それでも今回の目標の1日100万人との差は大きい。このため市保健当局は、10人分の検体を一度に混ぜて検査し、陽性が出た場合にのみ、その10人をそれぞれ再検査する手法を検討。湖北省保健当局と関連企業が妥当性に関する研究を進めている。

 1000万人規模の全市民検査については、地元紙も偽陰性や偽陽性が出る問題や、人々が検査のために集まることで逆に感染拡大につながる恐れを考慮すべきだと指摘。中国中央テレビも「大規模検査は感染者が発生したコミュニティーなどで行うもので、すべての人に対する検査は不必要だ」との感染症専門家の見方を伝えている。【米村耕一】


(毎日新聞)









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