スポーツ

「普通に生活することが本当に幸せ」競泳の池江が病名公表後初めて練習を公開

報道陣に練習を公開した競泳の池江璃花子=東京都で2020年7月2日(代表撮影)

 白血病と闘う競泳女子の池江璃花子選手(19)=ルネサンス=が2日、東京都内のプールで病名公表後初めて報道陣に練習を公開した。時折、笑顔を交えながらリラックスした様子で練習を終え、「普通に生活をすることが本当に幸せ」と率直な思いを口にした。10月の日本学生選手権で実戦復帰を目指していることを明らかにした。

 池江選手は2018年夏のジャカルタ・アジア大会で日本勢初となる6個の金メダルを獲得。東京オリンピックでの活躍が期待されたが、19年2月に白血病と診断された。約10カ月に及んだ入院生活では抗がん剤治療も経験し、「(副作用で)毎日、何度ももどしてしまった。食欲が全くなくってしんどかった」と振り返る。だが今年3月には念願のプールに入るまで回復し、6月からは強度を落としながらも、チームメートと一緒に練習できるまでになった。

 池江選手は、来年に延期となった東京五輪について「1年延びて期待されることもあるが、あくまでも24年。来年にとらわれずに土台を作っていきたい」と、改めて東京五輪は断念し、パリ五輪を目指すことを明言した。現在の体調は安定しており、通院は月に1回程度という。

 コンディションは全盛期から比べると「中学1年くらい」で、「もしかしたらもう元には戻れないという気持ちもある」と不安をのぞかせた。だが、それ以上に「病気の人たちにも、ここまでまた強くなれるんだよということを知ってもらいたいし、中途半端なまま水泳を終わらせたくない」という強い意志を示した。

 16年リオデジャネイロ五輪に高校1年で出場し、注目を集めた池江選手は4日に20歳の誕生日を迎える。「水泳があって自分ができている。病気になって一からになってしまったけど、こうしてまた、練習ができ、楽しい思いができて本当に良かった」。力強い言葉、そして屈託のない笑顔が再びプールに戻ってきた。【倉沢仁志】

          ◇

 池江との主なやりとりは次の通り。

 ――入院前は、競技にプレッシャーを感じていたと聞いた。

 ◆入院当初は、病気になって五輪に出なくていいとなってホッとしたが、いざこうして戻ってみると“楽しい”が勝って、プレッシャーとかを何も感じずにできている。

 ――入院生活、病名を宣告された思いは。

 ◆抗がん剤を投与して髪の毛が抜けるということにすごいショックを受けた。でもホッとした気持ちもすごくあって……。頑張り過ぎたんだなと思って、休んでまた頑張ろうと入院生活が始まった。

 ――闘病中、SNSでありのままを発信した。

 ◆隠す必要はないなと思って過ごしていた。ガリガリになったり、髪の毛がなくなったりというのは、病気になった人はみんな経験していることだと思う。そういう病気になったけど、ここまで戻ってこられるんだよという希望を、たくさんの人に与えたいと思った。

 ――五輪とは。

 ◆リオデジャネイロ五輪に出たが、その1回では絶対に終わらせたくない。そこで活躍できるように今、精いっぱい頑張っている。

 ――強くなった部分は。

 ◆メンタルはめちゃめちゃ強くなったと思う。正直、入院していたころよりきついことはないと思っている。負けず嫌いなところは、やっぱり変わっていなかったです。


(毎日新聞)









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