社会

警察犬クレバ、復帰へ訓練再開 逃走理由は「里心」説も 兵庫県警

クレバ=兵庫県警提供

 行方不明者の捜索後に山中で逃げ、2日後に保護された兵庫県警の警察犬「クレバ」(シェパードの雄、2歳)が、復帰に向けて訓練を再開している。県警直轄の11匹で最も若く、全国から激励の声が90件以上届けられており、県警幹部は「ぜひ元気に再活躍してほしい」と期待している。一方で、逃走の理由は判然としないままだが、「生まれ故郷への里心だったのでは」との見方が浮上している。【春増翔太】

 クレバは10月27日に保護された後、神戸市須磨区の犬舎に戻り、31日から訓練を再開。獣医や警察犬訓練士らに相談し、1日3時間、担当の捜査員に連れられ、横を並んで歩き、指示に従う基本の「服従訓練」から復習している。

 県警鑑識課は、逃走の理由について「全く分からない」としている。ただ県警内で「里心だった」との説が浮上している。

 クレバは10月25日に福崎町の七種(なぐさ)山(683メートル)で行方不明女性の捜索に別の警察犬と2匹で出動。亡くなっていた女性を発見して撤収する際、捜査員の持つリードを振り切って逃げたが、2日後に同じ山中で見つかった。

 奈良県で生まれたクレバは、七種山から尾根を隔てて隣接する姫路市夢前町で育った。生まれた直後に引き取られた町内の民間の警察犬訓練所で県警が購入する19年7月までトレーニングを受けていたという。

 ある県警幹部は「山並みを見てか、何かの匂いを嗅ぎ取ったのか……。そこで、懐かしくなり、走り出してしまったのでは」と推測する。公益社団法人「日本警察犬協会」(東京)の須永浩二総務課長は「動物には帰巣本能があるとされ、何百キロもの道のりを帰った犬のエピソードもある。クレバが郷里に近いことを知った可能性はある」と話す。

 県警は様子を見て「実践的な訓練に移る」としており、現場に復帰させたい意向だ。須永さんも「クレバはまだ若い。人への服従性、親和性を上げてやれば大いに活躍が望めるのでは」と話している。


(毎日新聞)









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