社会

警察はなぜ鉄扉をカッターで開けようとしたのか 記者が中核派アジトに入った

過激派「中核派」のアジト「前進社」=東京都江戸川区で2020年12月18日、長谷川直亮撮影

 かつて多数のテロ・ゲリラ事件に関与し、犠牲者を出してきた過激派組織「中核派」は、今も暴力を辞さない共産主義革命を唱え、警察当局の監視対象となっている。秘密のベールに包まれた活動の一端を知ろうと取材を申し込み、案内を受けながら拠点(アジト)の中に記者が入った。

 中核派は、成田空港建設や天皇制への反対を掲げ、爆発物などを使ったゲリラ事件を繰り返してきた過激派組織。アジトは「前進社」と呼ばれ、東京都江戸川区の住宅や工場が建ち並ぶ一角にあり、出版物を発行している。鉄骨造の4階建て(本館)と5階建て(新館)が密接し、内部で行き来ができる。

 2020年12月18日午前10時に訪れると、目の前にある新館ビル1階の赤茶けた鉄の扉には見覚えがあった。警視庁が2カ月前に行った家宅捜索で、機動隊員が鉄扉にエンジンカッターを向けて火花を散らしている最中、隣の別の出入り口が開いて活動家が出てくるという不思議な光景を思い出した。

 捜索を受けた時に、なぜ最初から隣の出入り口を開けないのか。取材を受けた活動家は「警察だって(最後には横の扉が)開くと分かっているので、エンジンカッターはパフォーマンスなのでしょう。こちらも扉を開けないことで対決の姿勢を示すという意図もあります」と答えた。その後、アジトの中に入っていくと――。

 中核派は現在も「権力奪取のための一斉武装蜂起に向かって準備していく」と綱領草案に明記し、暴力を含む非合法な手段もいとわない姿勢は変えていない。警視庁公安部幹部は「思想の本質は変わっておらず、いつ非合法な行為に及んでもおかしくない。引き続き、動向を注視していく」と警戒を緩めていない。【斎藤文太郎】


(毎日新聞)









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