社会

水や電気使えず、避難生活続く 震度6強の福島に疲労の色

ブルーシートが風で飛ばないよう、土のうを屋根に置く大槻さん(右)=新地町で2021年2月20日午後2時45分、寺町六花撮影

 福島県内で最大震度6強を観測した地震は20日、発生から1週間を迎えた。大きな住宅被害が出た地域では、地震で物が散乱した家の中を片付ける人や、壊れた屋根を覆うブルーシートが風で飛ばされないよう作業する人の姿があった。現在も避難所で生活を続ける人々の顔には、疲労の色が見えた。【寺町六花】

 ◇余震や修理費を心配

 「同じ程度の余震が来たら、家が崩れないだろうか……」。震度6強を観測した新地町の新聞販売店従業員、片平智昭さん(56)は20日、散乱した家財道具を家の外へ出す作業に追われていた。

 築約50年の自宅は壁に大きな亀裂が入るなどし、応急危険度判定で2階への立ち入りが「危険」とされた。水道管も破損したとみられ、近所の人などから水を分けてもらっている。1階で寝泊まりする片平さんは、余震を心配する日々を過ごしており、町が用意したアパートに身を寄せる予定だ。

 同町のニラ農家、大槻一雄さん(75)方では、自宅や作業小屋で大量の瓦が割れた。屋根の修理を業者に依頼したが、予約がいっぱいで、いつ修理が始まるかは分からず、費用面でも頭を抱える。

 修理費は数百万円にのぼると試算し、行政による支援を望んでいる。ブルーシートで雨を防ごうとしたが、配布されるシートや土のうの数では足りず、山形県の弟から譲ってもらった。屋根に土のうを乗せる作業は重労働だ。「この年齢でこの作業はきつい。10年前の震災より今回の方がひどい」と、やるせない気持ちを明かす。

 福島市立中3年、七島大地さん(15)は、自宅の井戸水や電気が使えなくなるなどの被害があり、母と姉、弟と福島市内の避難所で生活している。県立高校入試の前期選抜が3月3日に予定され、深夜まで避難所内で受験勉強を続けている。七島さんは「夜に寝付けず、普段と生活リズムも変わってしまった。疲れもたまっていて、入試が不安」と話した。

 ◇重軽傷101人、全壊36世帯 新地の一部破損1300世帯 20日時点

 最大震度6強を観測した今回の地震で、県内の被害は20日午後2時現在、101人が重軽傷を負った。死者は確認されていない。住宅被害が広い範囲で発生し、福島市と郡山市で21世帯33人が避難所に身を寄せている。

 県によると、けが人のうち5人が骨折などの重傷。内訳は福島市2人▽郡山市、桑折町、いわき市各1人。

 住宅被害は、全壊36世帯▽半壊32世帯▽一部破損1928世帯。全壊は鏡石町20世帯と福島市の16世帯。福島市に被災者生活再建支援法の適用が決まり、被災状況や世帯人数に応じて、再建・修繕費用が助成される。一部破損はまだ報告が増え続けているが、新地町が1300世帯と、現段階で半数以上が集中している。

 学校や図書館、体育館など公共施設でも、315棟に被害が確認され、関係自治体が復旧を急いでいる。このうち、福島市の県立図書館では窓ガラスや書棚の破損がひどく、当面の休館を決定。現在貸し出し中の資料の返却を、窓口サービス再開後1週間まで猶予する。【高橋隆輔】


(毎日新聞)









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