経済

法人税の国際的な最低税率導入 G20「21年半ばまでに解決」

オンラインでG20財務相・中央銀行総裁会議に臨む麻生太郎財務相=東京都千代田区の財務省で(同省提供)2021年4月7日午後7時42分

 日米欧に新興国を加えた主要20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁は7日、オンラインで会議を開き、法人税に世界共通の最低税率を導入する国際課税ルールについて「2021年半ばまでに解決策に至るよう引き続き取り組む」とした共同声明を採択した。米IT大手など多国籍企業の過度な税逃れや、新型コロナウイルス感染拡大に伴う大型経済対策による財政悪化が各国共通の課題となる中、法人税率の引き下げ競争に歯止めをかける流れが一気に強まった。

 日本からは麻生太郎財務相と黒田東彦・日銀総裁が出席した。麻生氏は閉会後の記者会見で「今年半ばまでの合意のコミットメント(公約)を示せたことは大きな成果だ」と評価した。

 法人税は企業誘致を有利にするため先進国が税率の引き下げ競争を繰り広げる一方で、国境をまたいで事業展開する多国籍企業の租税回避地(タックスヘイブン)を利用した税逃れが問題化した。経済協力開発機構(OECD)で国際課税ルールづくりの話し合いが始まったが、「GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの頭文字)」を筆頭にIT大手を国内に多く抱える米国が抵抗し、最近は交渉が停滞していた。

 しかし、20年秋の米大統領選で自国企業優遇のため法人税率を引き下げてきたトランプ前大統領が敗れ、バイデン政権が発足。難航していた協議が再び前進し始めた。イエレン米財務長官はG20会合に先立ち、法人税率の引き下げ競争をやめるよう呼びかけ、共通の最低税率を導入するよう提案していた。

 関係筋によると、イエレン氏は会合でも最低税率の設定の必要性を強調。参加国・地域から賛同する意見が上がったという。議長国イタリアのフランコ経済財務相は閉会後の記者会見で「(国際課税ルールは)数年にわたって討議しており、議論の加速を見据えている」と述べ、7月のG20財務相・中銀総裁会議での合意に意欲を示した。

 法人税の最低税率を含む国際課税ルールづくりは最終的にOECDに委ねられるが、巨大多国籍企業はG20に集中しており、ここで合意の流れが強まった意義は大きい。

 共同声明はこのほか、米国のトランプ前政権時代に削除されていた「保護主義と闘う」との文言を復活させ、通商分野でもG20の協調を打ち出した。【袴田貴行、ロンドン横山三加子】


(毎日新聞)









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