芸能・文化

カンヌ映画祭脚本賞に濱口竜介監督作品「ドライブ・マイ・カー」

カンヌ国際映画祭での公式上映の翌日、記念撮影に応じる出演者ら。(左から)霧島れいかさん、濱口竜介監督、三浦透子さん、ソニア・ユアンさん=フランス・カンヌで2020年7月12日、ⒸKazuko WAKAYAMA

 フランスで開催されていた第74回カンヌ国際映画祭は17日夜(日本時間18日未明)、授賞式が行われ、コンペティション部門に出品されていた「ドライブ・マイ・カー」の濱口竜介監督と共同脚本の大江崇允(たかまさ)さんが脚本賞を受賞した。

 授賞式には濱口監督が出席。「この映画は3時間近くある長大な物語で、分かりやすさだけを考えたらできなかったが、彼(大江さん)が励まし続けてくれたから、書き切ることができた。海の向こうにいる役者とスタッフに大きな拍手を送っていただきたい」と感謝の言葉を述べた。

 授賞式後の記者会見では「流れが滞らないように意識した。村上春樹さんの原作と、劇中劇の『ワーニャ伯父さん』を繰り返し読み、インプットされたものを流し込むように書いた」と話した。

 「ドライブ・マイ・カー」は村上さんの短編小説が原作。妻を亡くした演出家が、広島での演劇祭で多国籍のキャストによるチェーホフの戯曲「ワーニャ伯父さん」の演出に携わる。出演者や送迎する運転手との人間模様に、喪失と希望を描いた。西島秀俊さんが主演し、三浦透子さん、岡田将生さんら日本の俳優のほか、台湾のソニア・ユアンさん、韓国のジン・デヨンさんらが出演。日本語、韓国語、英語、韓国語手話など多言語が飛び交う作品だ。

 今月11日にカンヌで公式上映された後は、フランス国内のメディアでも「詩的な作品」などと高く評価されていた。

 濱口監督は1978年、神奈川県生まれ。東京芸術大大学院映像研究科を修了。2015年の「ハッピーアワー」では演技未経験の女性4人を起用し、ロカルノ国際映画祭で4人が女優賞を同時受賞した。18年に「寝ても覚めても」がカンヌ国際映画祭コンペティション部門に初めて出品された。

 20年9月にはベネチア国際映画祭で、共同脚本を務めた「スパイの妻」(黒沢清監督)が監督賞を受賞。今年3月、ベルリン国際映画祭のコンペティション部門でも「偶然と想像」が審査員大賞(銀熊賞)を受賞しており、今回のカンヌで、ベルリン、ベネチアと合わせ、自身の関わった映画が3大映画祭で連続受賞する快挙となった。

 大江さんは81年生まれ。舞台から映画に進出し、脚本、監督を手がけている。「ドライブ・マイ・カー」は、8月20日に劇場公開される。

 最高賞のパルムドールにはフランスの女性監督、ジュリア・デュクルノーさんの「チタン」が選ばれた。【久野華代(パリ)、勝田友巳】

 ◇カンヌ国際映画祭の主要な賞を受賞した日本映画、日本人

1954年 「地獄門」衣笠貞之助監督=グランプリ(当時の最高賞)

60年 「鍵」市川崑監督=審査員特別賞

63年 「切腹」小林正樹監督=同

64年 「砂の女」勅使河原宏監督=同

65年 「怪談」小林正樹監督=同

78年 大島渚監督「愛の亡霊」=監督賞

80年 「影武者」黒澤明監督=パルムドール

83年 「楢山節考」今村昌平監督=同

90年 「死の棘(とげ)」小栗康平監督=グランプリ(審査員特別大賞)

97年 「うなぎ」今村昌平監督=パルムドール

2004年 柳楽優弥「誰も知らない」=男優賞

07年 「殯(もがり)の森」河瀬直美監督=グランプリ(審査員特別大賞)

18年 「万引き家族」是枝裕和監督=パルムドール


(毎日新聞)









  • お知らせ


  • 琉球新報デジタルサービス



  • 会員制サービス






  • 他のサービス