国際

米仏大統領が電話協議 信頼関係修復への取り組みで一致

握手をするバイデン米大統領(右)とマクロン仏大統領=英南西部コーンウォールで2021年6月12日、AP

 フランスのマクロン大統領とバイデン米大統領は22日、電話協議し、関係修復に向けた取り組みを進めることで一致した。米英豪3カ国の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」創設に伴い、豪州が仏との潜水艦共同開発計画を一方的に破棄し、仏側が強く反発していた。電話協議を受けてマクロン氏は、抗議のため召還した駐米大使を来週、米国に戻すと決めた。

 この問題で米仏首脳による協議は初めて。両首脳は「同盟国間のオープンな議論を欠いた」との認識で一致。10月末には欧州で対面での首脳会談を開き、信頼関係を回復するための具体策を検討する。また、米国はフランスが主導して西アフリカ・サヘル地域(サハラ砂漠南縁部)で展開するイスラム過激派の掃討作戦に対し、支援強化を約束した。

 米ホワイトハウスのサキ報道官は22日の記者会見で、米仏首脳の電話協議はバイデン氏の要請で約30分間実施されたと説明した。協議の雰囲気は「和やかだった」といい、「米仏の長年にわたる重要な関係を正常に戻すための一歩だ」と強調した。

 米英豪は15日、インド太平洋地域で影響力を拡大する中国を念頭に置いたAUKUSの創設を発表。豪州はフランスとの通常型潜水艦開発計画から、米英の支援による原子力潜水艦の配備に切り替えた。インド太平洋地域に海外領土を持つフランスは、事前の協議なく計画が進められていたなどとして強く反発。17日にはマクロン氏が駐米、駐豪の両仏大使の召還を決定した。また、ルドリアン仏外相が北大西洋条約機構(NATO)のあり方にも影響を及ぼす可能性を示唆するなど、同盟国間での異例の対立が表面化していた。

 共同声明で米国は、インド太平洋地域においてフランスや欧州が関与することの戦略的重要性を強調した。

 一方、豪州のモリソン首相は23日の記者会見で米仏の電話協議を歓迎し「正しい時期に機会があれば、我々も同様の協議ができることを心待ちにする」と話した。ロイター通信などによると、豪側も仏に協議を求めたが断られたという。仏側は、潜水艦計画の契約破棄に伴う補償を豪州に請求する予定だ。【パリ久野華代、ワシントン鈴木一生、バンコク石山絵歩】


(毎日新聞)









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