国際

米、中露会談に「深い懸念」 ロシア視点の停戦提案の可能性指摘

米国国旗の星条旗=2018年1月、高本耕太撮影

 米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は17日の記者会見で、来週にロシアで予定されている中国の習近平国家主席とプーチン露大統領の会談に関連して「深い懸念」を表明した。ロシアによるウクライナ侵攻で、中国がロシアの視点のみを反映した停戦を提案する可能性を指摘し、「今停戦すれば、ロシアの征服を認めることになる。ウクライナの領土を占領し続けることを許すことになる」と訴えた。

 中国は2月、ウクライナ侵攻で停戦と和平交渉を呼びかける文書を発表した。習氏が今回の訪露で、プーチン氏に停戦を働きかけるとの見方が広がっている。

 カービー氏は「ロシアは停戦を利用し、軍部隊を立て直したうえで攻撃を再開することができる。(現段階での停戦は)永続的な平和につながらない」と述べた。「戦争の終結は見たいが、ウクライナの主権を完全に尊重するものでなければならない」と強調。「習氏がウクライナのゼレンスキー大統領と直接対話することを望んでいる」とも述べた。

 カービー氏はウクライナ侵攻が始まって以降、中国とロシアの関係が深まっているとも指摘した。バイデン政権は中国がロシアに対して殺傷力のある武器の支援を検討していると警戒しており、「支援を決めたとは確認できていないが、検討をやめたとも考えていない」と説明した。【ワシントン鈴木一生】


(毎日新聞)










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