社会

キャンピングカーで移住先探し 県がレンタル

地元の友人家族と談笑する寺門夏樹さん(左)、純さん(左から2人目)夫妻=長崎県南島原市で、加藤小夜撮影

 キャンピングカーで長崎県内各地を回って移住先を探してもらう県の事業が好評だ。滞在中、行政の移住相談窓口を訪れるなど複数の条件を満たせば、最安1日3000円で利用でき、宿泊費や交通費を浮かすことができる。2015年8月の事業開始以降、49組112人が利用し、うち7組17人が県内に移住した。【加藤小夜】

 ◇7組17人が移住

 事業名は「ラクラク移住先探し」。軽自動車のキャンピングカー(4人乗り)を約1週間レンタルできる。用意されたメニューのうち、自治体や“先輩移住者”が応じる「移住相談」と、空き家や求人企業などへの「現地案内」を各1回利用することを条件に1日8000円で貸し出す。ほかにも農業体験(有料)などのメニューがあり、一つ追加するごとにレンタル料が1000円引きとなり1日3000円まで安くなる。車は長崎空港や県内主要駅のほか、福岡、佐賀の両空港で借りることができ、寝袋や電気ポットなども付いている。

 東京都から長崎県南島原市に移住した寺門(てらかど)夏樹さん(40)純さん(47)夫妻も16年1月、インターネットでこの事業を知り、利用した。約1週間かけて島原半島各地を回り、南島原市への移住を決めた。「最初は旅行気分だったが、行政の担当者が積極的に移住を勧めてくれ、とんとん拍子に決まった」と夏樹さん。純さんも「いい環境と人に出会えた」と振り返る。

 夏樹さんは東京でカフェバーを経営していたことから、隣接する納屋を改装してコーヒー焙煎(ばいせん)所をオープン。純さんも自宅でハーブティーや手作りのせっけんの販売などをしている。夏樹さんは「キャンピングカーがなかったら移住はなかった」と長崎の魅力を語る。

 国勢調査によると、長崎県の人口は1960年の約176万人をピークに減少傾向が続き、15年は約138万人。県が対策を練る中で、県内は交通が不便なところもありキャンピングカーなら見て回りやすいなどと職員から提案があり事業が生まれた。担当課は「長崎への移住を考えるきっかけになってほしい」。

 申し込みや問い合わせは平日午前9時〜午後5時、ながさき移住サポートセンター(095・894・3581)。


(毎日新聞)