社会

シルバービジネスに好機 日本の未来考える

講演する小尾敏夫早稲田大学教授=東京都新宿区で2018年3月6日、岡礼子撮影

 人工知能(AI)、超高速通信などの技術革新で社会に大きな変革をもたらすとされる「第4次産業革命」をテーマに、今後の日本社会のあり方を考えるシンポジウム「日本の未来像」(早稲田大学電子政府・自治体研究所など共催、毎日新聞社など後援)が6日、早稲田大学大隈講堂(東京都新宿区)で開催された。

 シンポジウムでは、情報通信分野で幅広い研究を行い、国連国際電気通信連合(ITU)事務総局長特別代表など国際機関での要職も務めた小尾敏夫・早稲田大学教授が「日本の情報通信産業の未来」と題して基調講演した。小尾教授は、米中のIT企業による覇権争いなど、この分野の現状を紹介し、グローバル人材の不足や「世界標準」をとることの難しさなど、日本の課題を指摘。今後日本が注力すべき分野として「シルバー産業」などを挙げ、「世界で3000兆円市場になるとされているシルバービジネスに挑戦することは、日本にとってチャンスになる」などと述べた。

 続いて「IoT・AI・イノベーション新未来を語る」「日本の未来−少子高齢化人口減少社会を語る」の2部構成でパネル討論が行われた。第1部では、元NTTドコモ社長の立川敬二氏、NTTデータ社長を務めた山下徹氏らが参加。光ファイバーなど国内インフラ普及は進んでいるものの、世界でのビジネス展開は遅れ、グローバルな情報サービス分野が海外の巨大IT企業に席巻されている現状への懸念が表明された。

 第2部は、大和証券会長を務めた鈴木茂晴氏、トヨタ自動車副会長の早川茂氏らが登壇。朝比奈豊・毎日新聞社会長がモデレーターを務め、戦後70年を経て、高齢化・人口減少が進む日本をどう再生するかを議論。女性や外国人の活力を生かすこと、若者への最先端のデジタル教育、もう一度「モノづくり」に真摯(しんし)に取り組むこと−−などの重要さが指摘された。

 ◇パネル討論の登壇者

第1部 モデレーター:吉田雅彦・国際競争力会議代表、パネリスト:川崎秀一・沖電気工業会長▽鈴木茂樹・総務審議官▽立川敬二・前JAXA理事長▽山際大志郎・元副経済産業相▽山下徹・前NTTデータ社長

第2部 モデレーター:朝比奈豊・毎日新聞社会長、パネリスト:岩田喜美枝・元資生堂副社長▽岡本毅・東京ガス会長▽清野智・JR東日本会長▽鈴木茂晴・前大和証券会長▽早川茂・トヨタ自動車副会長▽藤重貞慶・前ライオン会長


(毎日新聞)