政治

「接待汚職より深刻」財務省対応に注目

財務省(旧大蔵省)の過去の不祥事

 公文書の改ざんが発覚した財務省は、旧大蔵省時代から組織を揺るがす不祥事がたびたび起きた。大臣や事務方トップの事務次官が辞任に追い込まれ、そのたび再生を誓った。今回の改ざんで財務省は大阪地検の捜査を見極めて関係者を処分する方針だが、今回の問題は国民をあざむく面がより強いとの見方もある。組織として責任の所在を明確にし、効果的な再発防止策を打ち出せるか。財務省は正念場を迎えている。

 麻生太郎財務相は12日に記者団の取材に応じた際、逮捕者が続出した接待汚職に匹敵する不祥事かと問われると、「問題の本質は全く違う。どちらが重いかは今の段階で申し上げられない」と話した。しかし、霞が関では「行政全体に対する信頼を損ないかねず、接待汚職よりも深刻だ」(経済官庁幹部)との声も出ている。

 今回の改ざんについて麻生財務相は、森友学園への国有地売却問題が発覚した当時の理財局長、佐川宣寿前国税庁長官の国会答弁に合わせるため理財局主導で行われた、と説明している。しかし、霞が関の官僚からは「公務員が自らの意思で文書を改ざんすることは考えにくい」との声が聞かれるなど疑問点が多い。信頼回復に向けて国民の納得を得られるよう真相の説明も求められる。

 過去を振り返ると旧大蔵省時代の1998年、職員が大手金融機関から接待を受け、検査情報などを提供していた接待汚職事件が発覚。職員が逮捕され、当時の三塚博蔵相、小村武次官が辞職した。これをきっかけに、多くの幹部らが日常的に高級料亭などで過剰接待を受けていたことも明らかとなり、幹部ら計112人が停職や減給などの処分を受けた。一連の不祥事で明らかになった金融業界との癒着ぶりは社会に衝撃を与え、金融検査・監督部門を分離した金融監督庁(現金融庁)の発足につながった。

 また、2008年には深夜帰宅で利用したタクシーの運転手から、ビールや現金などの提供を受けていた「居酒屋タクシー」問題が発覚。問題は霞が関全体に広がったが、財務省は全府省庁の中で最多の600人が金品を受け取っていたことが明らかになり、関係した職員は戒告などの処分を受けた。【工藤昭久、大久保渉】


(毎日新聞)