経済

「働き方改革」文具も 収納力アップ、小型化

テレワークなどで人気の商品

 時間や場所にとらわれない働き方に対応した文具やスーツなどが登場し、静かな人気を集めている。会社を離れて働く「テレワーク」や、職場で固定の自席を持たず空いている席で仕事をする「フリーアドレス」のオフィスが増え、文具やノートパソコンを持ち歩いて仕事をする人が増えているためだ。新しい働き方に合ったユニークで便利な新商品は今後も登場しそうだ。【今村茜】

 文具各社は、狭い机の上でも有効にスペースを活用できるビジネス向けの「立つペンケース」を相次ぎ発売した。コクヨは2017年11月、幅2センチの平らなペンケースを開くと底のマチ部分が三角に広がり、立体的なペン立てに早変わりする「ネオクリッツ」シリーズに、新たに大人向けのモデル「フラットビズ」を加えた。

 従来、ペンケースは小学生から大学生の購入が主だったが、「働き方改革」が注目されるようになった16年ごろから社会人の購入が急増した。同社は「カフェなど狭いスペースで仕事をする際に、立てて使う需要がある」とみて、仕事で使いやすい黒やネービーなどの商品を拡充した。

 リヒトラブが17年2月に発売した立つペンケースの「プニラボシリーズ」は、黒猫や柴犬(しばいぬ)など6種類の動物をかたどった軟らかいシリコーン製で、女性に人気。パイロットコーポレーションやサンスター文具も立つペンケースを16〜17年に発売した。

 キングジムは「働く場所の多様化で、個人向け防犯用品の需要が伸びる」とみて、18年2月に卓上の防犯アラーム「トレネ」を発売した。カフェでノートパソコンを使う際など、ちょっとした離席時に荷物を見守る。トレネが載ったノートパソコンを誰かが動かすと、アラームが鳴り、周囲に知らせる仕組みだ。

 アパレルや流通各社も新需要取り込みを目指す。紳士服大手のはるやまホールディングス(HD)は18年1月、収納力を向上させた男性向けの「モバイルオフィスセットアップスーツ」を新発売。ジャケット内側に小型のタブレット端末やスマホ、新聞や手帳が収納できる専用ポケットが六つある。

 セブン−イレブン・ジャパンが16年から販売するプライベートブランド(PB)の文具「バイロフト」シリーズは、のりやカッターの定番商品を通常の半分ほどに小型化した。ビジネスパーソンに「持ち運びしやすい」と人気を集めている。

 ◇キーワード「テレワーク」

 ITを活用し、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方のこと。職場を離れ、自宅や共有オフィス、カフェでパソコンなどを用いて働く。育児や介護を抱える社員が働きやすくなるほか、営業の合間にカフェで資料を作成し、顧客対応を急ぐなど、業務の効率化にもつながる。ザイマックス不動産総合研究所が昨年実施した調査では「テレワークの場所や制度の整備に取り組んでいる」と答えた企業は全体の26%。大企業ほど導入率が高い傾向にある。一方、オフィス内で固定の自席を持たず、社内のオープンスペースなど自由な席で仕事をする「フリーアドレス」もIT企業などで導入が進む。部署を超えた社員の交流で、創造的な発想を生む効果が期待できるという。


(毎日新聞)