政治

与党に佐川氏招致容認論 局面打開狙う

報道陣の取材に応じ、陳謝する安倍晋三首相=首相官邸で2018年3月12日、和田大典撮影

 学校法人「森友学園」を巡る文書改ざん問題で13日、改ざん当時の財務省理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官の国会招致を容認する意見が与党内で広がり始めた。野党の審議拒否で新年度予算案や予算関連法案を巡り国会の空転が続く中、局面を打開する狙いがある。ただ与党は、野党の審議復帰をまず求めており、与野党の攻防はなお続く。【木下訓明、高橋恵子】

 自民党の岸田文雄政調会長は「信頼回復の努力として、どういった人間を招致するかは、現場(参院予算委員会理事会など)で丁寧に判断してもらわなければならない」と述べ、佐川氏招致を排除しない姿勢を示した。訪問先の福島県庁で記者団に語った。公明党の山口那津男代表も記者会見で「佐川氏の関わりに重大な関心が集まっている。まず国会の議論で麻生太郎副総理兼財務相に説明を求め、必要があれば合意の上で呼ぶべきだ」と指摘。自民党の森山裕国対委員長は「山口氏と同じ考え方だ。全会一致で呼ぶかどうか決める」と述べ、野党の審議復帰後の課題になりうるとの認識を示した。

 新年度予算案は3月29日に自然成立するが、年度内成立が必要な予算関連法案の審議が遅れている。野党は佐川氏や安倍晋三首相の妻昭恵氏らの証人喚問、麻生氏の辞任を要求。閣僚経験者は「麻生氏辞任や昭恵氏招致には応じられないのだから、佐川氏喚問しかない。世論向けの『節目』が必要だ」と語る。

 ただ首相官邸は慎重だ。佐川氏招致を認めれば、昭恵氏招致につながりかねない。官邸関係者は民間人の国会招致は全会一致が原則であるのを踏まえ、「佐川氏が辞任したのは、招致のハードルを高める意味もある」と指摘する。

 一方、麻生氏は13日の記者会見で「少なくとも原因究明と再発防止は大臣として与えられた仕事だ」と述べて改めて続投を表明。「文書書き換えは極めてゆゆしき事態で、誠に深く申し訳ない」と陳謝もした。菅義偉官房長官は「なぜこのようなことが起き、どう改善する必要があるかが極めて大事だ」と述べて続投を支持した。ただ、自民党内では「首相がかばい続ければ政権のダメージが大きくなる」との不安も広がる。野田聖子総務相は13日の記者会見で「麻生副総理には徹底的に事態を究明する責任があり、しっかりやっていただく。その後のことはご本人の判断だ」と語った。


(毎日新聞)