社会

受験時期に成人式 22年度に施行予定

鮮やかな振り袖姿で記念写真を撮る新成人たち=札幌市中央区で2018年1月8日、梅村直承撮影

 成人年齢を20歳から18歳に引き下げる民法改正案が13日、閣議決定された。改正法が成立すれば、成人式はどうなるのか。1月実施だと高校3年生の大学受験の時期に重なる。年齢が引き下げられた年度は対象が3学年にわたり、会場確保が難しくなる。開催時期をずらすべきか。すでに検討を始めた自治体もある。

 成人式のあり方を定めた法律はない。ただし、文部省(現文部科学省)は1956年に出した通達で「該当者の年齢は全国的にみると、おおむね満20歳」との見解を示している。2000年度の文科省の調査によると、全国の自治体の8割が「成人の日」がある1月に成人式を開き、帰省する人が多い8月に開催するところもある。

 18歳が成人式の対象になれば、大半は高校3年生で迎える。成人の日の頃は大学の一般入試が本格化する直前で、静岡市は「会場でインフルエンザに感染するのを懸念して参加を見送る受験生もいるだろう」と見る。神戸市は開催時期の変更を検討している。

 前橋市は例年、車での参加が多い。高校3年を対象にすると、駅と会場をつなぐバスなど交通手段の確保が課題になるという。

 改正法が通常国会で成立すれば22年4月に施行される見通しで、その年度の成人式は対象者が18、19、20歳とこれまでの3倍になる。津市は「3学年を一度に収容できる施設はない」といい、全国最多の2万人超が参加する横浜市も、年齢別での開催を選択肢の一つに挙げる。長野市は「3回に分けて開くと市議、自治会長ら来賓の日程調整が難しい」と説明する。

 今年の成人式は晴れ着のレンタル・販売会社と契約した新成人に振り袖が届かないトラブルが起きた。新潟市は「着付けの業者や美容師が足りるのかという懸念がある」といい、相模原市も「着物や美容室の業界の意見を聞く必要がある」と強調する。

 福井市は「成人式の対象が高校生になれば制服で出席し、着物やスーツの業界への経済波及効果が薄れる」と見る。呉服小売店が加盟する日本きもの連盟の中崎良文事務局次長は「成人式で着る服を自ら選択することも子どもから大人になる行為の一つ」と話し、晴れ着での出席に期待する。

 成人式は同級生との再会を楽しむ場にもなってきた。奈良県の私立高の男性教諭(36)は「いつも一緒に勉強する同級生が改めて集まっても……」と話した。【まとめ・水戸健一】

 ◇ことば【成人式】

 自治体などが「新しい人生の門出を祝う」「成人としての自覚を促す」との目的で開いている。現在は民法の成人年齢を基準とし、開催年度の4月2日から4月1日までに満20歳となる若者を対象とすることが多い。埼玉県蕨町(現蕨市)が1946(昭和21)年に開催した「青年祭」が始まりとの説がある。


(毎日新聞)