政治

他党賛同のハードル高く

自民党憲法改正推進本部の全体会合であいさつする細田博之本部長(中央)=同党本部で2018年3月22日午後4時4分、川田雅浩撮影

 自民党憲法改正推進本部の細田博之本部長は22日、憲法9条第2項(戦力不保持)を維持して自衛隊を明記する案で一任を取り付けた。「必要な自衛の措置をとる」と条文案を修正し、第2項維持派の一本化に成功した。ただ、この方向で条文化すれば、自衛隊の権限や任務の拡大が国会の憲法審査会で論議になるのは確実だ。公明党をはじめ他党の賛同を得るためのハードルはかえって高くなった。【小田中大、田中裕之】

 細田氏は全体会合の冒頭で「過去10時間以上議論し、延べ160人が意見を言った。結論を得られるようにお願いしたい」と決着に意欲を示した。

 15日の全体会合では「『必要最小限度の実力組織』だと、その範囲を巡る解釈論争になる」などと異論が噴出した。そこで細田氏ら幹部は、条文案に「自衛」を盛り込めば、第2項を維持して「自衛権」を明記する案を支持する議員を取り込めると計算した。

 思惑は的中し、自衛権明記派から「党大会間近だ。とりあえずここでまとめ、他党と協議すべきだ」(山田宏参院議員)などと修正案に賛成が相次いだ。第2項削除を訴える石破茂元幹事長は「自衛隊は戦力でないという論理を維持することになる」と反対したが、多勢に無勢だった。

 一方、首相に近い西田昌司参院議員は「森友学園の問題が再燃して政情が不安定だ。一挙に押すのは安倍内閣のダメージにならないか」と別の観点から懸念を表明した。それでも多くの議員が「一任、一任」と叫ぶ中、本部長一任が決まった。

 修正案は、武力行使に関する1972年の政府見解から「自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛の措置をとることを禁じているとは解されない」を引用した。ただ、72年見解は、自衛のための措置について「必要最小限度の範囲にとどまる」としている。

 修正案によって、自衛隊の活動範囲が広がる可能性はある。公明党幹部は22日夜、「集団的自衛権の限定行使を認めた安全保障法制の否定になりかねない」と一蹴した。


(毎日新聞)