社会

雨傘のシェアリングサービス「アイカサ」 福岡市の天神・博多中心にスタート

傘のシェアリングサービス「アイカサ」をPRする丸川照司社長=福岡市中央区で2019年5月21日午前11時34分、徳野仁子撮影

 梅雨入りを前に、福岡市の天神・博多地区を中心に、雨傘のシェアリングサービス「アイカサ」がスタートした。西鉄福岡(天神)駅や商業施設「キャナルシティ博多」など41カ所に計1000本が設置され、急な雨などの際に役立ちそうだ。傘のごみ削減も期待され、新たなシェアビジネスが浸透するか、注目される。

 ベンチャー企業「ネイチャー・イノベーション・グループ」(東京)のサービスで、東京に次ぎ2カ所目の展開。スマートフォンの無料通信アプリ「LINE(ライン)」で登録から傘の貸し出し、返却まですべてが完了する。

 専用の傘は持ち手にQRコードが付いており、ラインで読み込むと番号が表示される。持ち手のダイヤルをこの番号に合わせると解錠され、傘が開くようになる。返却時は傘立ての返却用QRコードを読み込んで傘を戻すだけ。借りた場所でなくても返せる。

 利用料は1日70円、1カ月使い放題420円。支払いはラインの決済サービス「LINE PAY(ラインペイ)」かクレジットカードで済ませるためキャッシュレスだ。

 2018年12月に始まった東京・渋谷と周辺では、現在約120カ所に傘を設置。1万人超が登録し、返却率は100%という。

 日本洋傘振興協議会の推定では、国内の洋傘の消費量は年間1億2000万~1億3000万本。うちビニール傘は約8000万本で、多くが短期間で放置されたり捨てられたりしているとみられる。シェアの広がりは、こうした大量消費・廃棄を変えてゆく可能性がある。今回は福岡市もごみ減量などの公益性があるとして協力し、市役所や地下鉄駅にも傘が置かれた。

 21日に天神地区であった発表会に出席したネイチャー・イノベーション・グループの丸川照司代表(24)は「傘ではなく、ぬれない体験を届けたい。観光地や動物園などにも広げ、傘を無駄に消費することがない社会循環の実例を作りたい」と話した。6月20日までのキャンペーン中は、ラインペイによる決済に限り1日1円で利用できる。【末永麻裕、柿崎誠】


(毎日新聞)