社会

「運動会」といえば…「春」それとも「秋」 地域差くっきり

「秋」に開催された横浜市立小学校の運動会=横浜市南区で2018年10月13日午前9時26分、水戸健一撮影

 今週末をはじめ、この時期に運動会を開く小学校が少なくない。しかし、運動会といえば秋のイメージも根強い。専門家の調査によれば、初夏を含む春に開催する学校の方が若干多いものの、地域によっては秋開催が優勢だ。なぜ分かれるのか。

 7月以前の「春」開催が54・3%、8月以降の「秋」開催が45・7%――。大同大(名古屋市)の渡辺慎一教授と名城大(同)の石井仁教授が2013~15年、ホームページで運動会の開催日を公開している小学校1万620校(全小学校のほぼ半数)を調べたところ、こんな結果が出た。

 都道府県別にみると、地域差がくっきりと表れた。春に開催する学校の割合が90%を超えたのは北海道と青森、岩手、宮城、秋田、福島、新潟の6県。一方で群馬、山梨、滋賀、愛媛、宮崎、鹿児島、沖縄の7県は秋開催の割合が90%を超えた。「北日本は春派」との傾向がうかがえるものの、山形県は春開催(36%)よりも秋開催(64%)の方が多いので一概には言えない。

 運動会は、学習指導要領で「特別活動」の一つに位置づけられているが、開催時期に関する定めはない。「春派」の札幌市も「秋派」が多い山形市も、市教委の担当者は「開催の日時は学校が判断する。個別の理由は分からない」としている。

 「春派」が多い理由として渡辺教授が着目するのは「気温」だ。「秋に開催すれば、運動会の練習は残暑の時期になる。春開催は熱中症を予防する狙いもあるのだろう」と分析する。「米どころでは農家が忙しくなる秋の収穫期を避けているのかも」(関東のある公立小学校の元校長)という見方もある。これに対し、春が47%、秋が53%とやや秋が優位な神奈川県の公立小学校の元校長は「体育の日が10月にあるので秋のイメージが強いのでは」と指摘する。

 近年は、春でも真夏並みの暑さを記録する日もある。渡辺教授が言うように「気温」に着目すると、開催時期は今後さらに変わる可能性もありそうだ。【水戸健一】


(毎日新聞)