社会

教職員の不祥事防止へ 岡山県教委と岡山大が啓発DVD作成

研修に真面目に取り組んでいなかった教員の頭の中に現れた天使と悪魔=岡山県教委など提供

 教職員の不祥事を防止しようと、岡山県教育委員会と岡山大は、共同で教職員向けの研修用DVD「不祥事はひとごとですか?」を作成した。今まで研修資料は紙やパワーポイントなどが作成されていたが、DVDは初めて。県内全ての公立学校に配布され、校内のコンプライアンス研修などで活用されている。【戸田紗友莉】

 映像は4部構成。前半は、ある中学校の男性教諭が盗撮を行い逮捕される事件から始まる。被害生徒がふさぎ込み、保護者が学校に詰め寄るなど被害者側の影響だけでなく、コンプライアンス研修を実施していながらも被害を防げなかった男性教諭が勤務する学校の教頭、研修をしても自らの身に置き換えて考えられない教職員らの葛藤などを描く。後半では、別の中学校で緊急研修が行われる。自分には関係ないとあくびする教職員に頭の中の天使と悪魔が「(盗撮をした教員は)あんたみたいな若くて真面目な先生だったよ」と迫る。

 これまでは紙やパワーポイントで研修資料を作成してきたが、より訴求力のある形で身近なこととして考えてもらおうと、DVDの作成が決まった。映像には、現役の教員が教員役として多数参加。実際に研修でDVDを使用した学校からは、「教職員が従来の紙資料より熱心に視聴していた」などと好評だという。

 県教委では2016年から「不祥事防止対策チーム」を設置し、岡山大などと共同で研修プログラムの開発に取り組んできた。岡山独自の取り組みとして、受動的になりがちな研修の中にグループディスカッションを取り入れ、教職員間で考えを共有できるようにしている。この研修が教職員間の人間関係にも影響し、「教員同士のコミュニケーションが増えた」と副産物も生まれている。その結果、15年に8件あった不祥事は、16、17年では2件ずつと大幅に減少したという。

 県教委の担当者は「教職員への自覚を促すだけでなく、学校環境が良くなることで不祥事も防ぐことができる。このDVDでより多くの人に自覚を持ってもらいたい」と話した。


(毎日新聞)